長野市中心部の西鶴賀商店街で、夫婦二人三脚で営む店があります。夜は夫が担当する居酒屋。昼は妻が担当する食堂に変身します。体力的な心配もありますが、夫婦の人柄にひかれ、訪れる常連客も多く、「できる限り長く続けたい」と話します。

■50年以上続くアットホームな居酒屋

長野市の繁華街・権堂の東側にある「西鶴賀商店街」。その一角にある店に入ると―

松田洋子さん:
「どうぞ!食べられそうかな、きょうは」

客:
「おから大好き」

松田洋子さん:
「本当?よかった」

アットホームな雰囲気の店内。西鶴賀で50年以上続く居酒屋「割烹すいとん」です。

店を営むのは松田仁光さんと洋子さんの夫婦。

おいしい料理と夫婦との会話を楽しみに客が訪れます。

松田洋子さん:
「なめろうでございます」

客:
「わーい!」
「大将、超うまい。頼んでよかった」

松田仁光さん:
「はいよ」

■店名も、名物料理も「すいとん」

調理を担当するのは仁光さん(72)。

長野県小川村出身で、二十歳の時に「すいとん」で働きはじめ、その後、店を引き継ぎ、50年以上に渡り店を守ってきました。

店の名物料理は店名にもなっている「すいとん」。

みそ味のスープで自家製の団子と数種類の野菜を煮込んで作ります。

松田仁光さん:
「強力粉を使って、寝かして、それをオーダーごとにのばして入れる。(客が食べた後)残ってないところを見れば、おいしいってことだね(笑)」

強力粉をこねた生地を一晩寝かせることで、コシのある団子に仕上がるといいます。

客:
「昔、父親がよく作ってくれたのがすいとんだったけど、それ以上においしい」

(記者リポート)
「優しいみそ味がお団子に染み込んでいます。家庭的な味がして、どこか懐かしい感じがします」

■夫婦 二人三脚で切り盛り

妻の洋子さんが配膳やドリンクを担当。

話し上手なので、客との会話も弾みます。

松田洋子さん:
「日本酒って飲みだしたら止まらないですよね」

客:
「きょうは止めるよ。明日仕事だから」

店は長年、仁光さんが一人で切り盛りしてきましたが、2025年9月に同じ西鶴賀内に移転し、店の構造が変わったことをきっかけに、洋子さんも手伝うようになりました。

松田洋子さん:
「最初はすごい大変でした。(主人が)一人でずっとやってきた人だからうまく合わないこともよくありました。最近ようやくお互いの今、何がほしいのかが分かるようになってきた」

客:
「料理がおいしいのはあるけど、ご主人と奥さんと一緒に話せるのがいいかなって。奥さまが店に立たれて、さらに明るくなったと思います」

客:
「おいしい料理を食べながらリラックスできる憩いの場」

■昼間は…妻が営む「食堂そら」

憩いの場として客に親しまれるアットホームな居酒屋ですが、実はもう一つの顔があります。

昼間は洋子さんが調理場に立ち、定食屋として営業。

店名も「食堂そら」に変わります。

店名は洋子さんが好きな「青空」からとりました。

メニューは全て洋子さんが考え、仕込みも行います。

松田洋子さん:
「うちのは、おうちで食べられるご飯です。あとは栄養のバランスとれればいいなと」

食堂そらがオープンして2026年で5年目。

洋子さんも小さい頃から料理が好きで、20歳ごろから飲食店で働いてきました。

長年働いたレストランを退職したのを機に、自分の店を持とうと決断。

その時に―

松田洋子さん:
「初め(すいとんと)別々にやろうと思ったんですけど、おんぶに抱っこで、食器もあるし、設備も整っているので一緒にやることにしました」

■一番人気は「日替わり定食」

一番人気は、日替わりの定食。

この日は冷麺と鶏丼。バランスよく栄養をとれるように「なばなの辛し和え」と「うの花」の小鉢が添えられています。

客:
「何食べてもおいしいので仕事の時間が合えばしょっちゅう来ます」

客:
「(洋子さんが)すごく優しくていろいろ話しかけてくれるので、リラックスしながらご飯食べています」

松田洋子さん:
「最終的には、おうちのご飯が一番いいのかなって。(自分が)バランスのとれた食事をさせたいっていうのもあったんですけど、そのお手伝いが少しでもできればというのはありました」

昼の営業のメインは洋子さんですが、料理の仕上げなどを仁光さんが手伝い、昼間も二人三脚です。

■結婚40年、夫婦で「この先も」

松田洋子さん:
「感謝しております」

松田仁光さん:
「感謝してる?(笑)」

松田洋子さん:
「はい(笑)」

二人の出会いは洋子さんが客として「すいとん」に訪れたことがきっかけだったそうです。

結婚して40年。二人の人柄にひかれて訪れる常連客も大勢います。

客:
「ご夫婦のコミュニケーションがうまくいっているのが感激していて、いい感じのお店です」

夫婦二人三脚で営業する「食堂そら」と「割烹すいとん」。

昼と夜の営業で体力的な心配もありますが、「この先も二人で、できる限り続けていきたい」と話します。

松田洋子さん:
「作ったものをおいしいって食べてもらえるってこんなにありがたいことない。いろいろありますけど、体に気を付けて丈夫で頑張っていくしかない」

松田仁光さん:
「体が健康ならね(自分が)ちょっと腰痛いからだめだけど、もう少しよくなってもう少しやりたい。ほかにやることないし(笑)」

長野放送
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