今月11日にアメリカとイランはパキスタンで1回目の和平交渉を行う予定ですが、早くも暗雲が立ち込めています。
2週間の停戦合意により、ホルムズ海峡が通航できるようになる見通しでしたが、イスラエルがレバノンの親イラン武装組織ヒズボラの拠点へ過去最大規模の攻撃を行ったことから、イランは「ホルムズ海峡の封鎖」を宣言しました。
欧米メディアの報道によると、そのホルムズ海峡を巡っては、イランが停戦の条件の1つとして「通航料の徴収」挙げているということで、トランプ大統領は「アメリカとイランによる共同作業で徴収する可能性がある」と発言していました。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した元NHK政治部記者でジャーナリストの岩田明子氏は通航料徴収についてイラン側がアメリカとの停戦交渉の材料とする可能性を指摘しました。
イラン側が停戦条件の1つとして挙げている「ホルムズ海峡の通航料」。
トランプ大統領は今月8日、アメリカ・ABCニュースの取材に対し「アメリカとイランによる共同作業で徴収する可能性がある」と発言。
その理由について「安全確保の観点や様々な勢力から海峡を守ることにもつながる」と説明しました。
一方、通航料については日本を含む各国が反対していて、理解が得られるかが焦点です。
■「”ホルムズ海峡通航料”使い、イランが停戦条件に「折り合いをつけてくる可能性」
これについて元NHK政治部・安倍元総理の番記者でジャーナリストの岩田氏はまず、停戦交渉について、「双方ともに早く事態を収束させたいという気持ちはある」と説明しました。
【岩田明子氏】「(停戦)交渉が始まる前から(イスラエルがレバノンのヒズボラに攻撃を続け、イランがホルムズ海峡の封鎖を宣言する)この状況ですので、先が思いやられますけれども。
双方ともに早く事態を収束させたいという気持ちはありますので、何とかこぎつけなければいけない状況です」
その上で通航料についてはアメリカとの停戦条件の交渉で、イラン側が“交渉材料”にする可能性を指摘しました。
【岩田明子氏】「この『共同事業で徴収する』という通航料ですけど、もともとが開かれた海なので、勝手に始まった戦争で通航料というのは、異論がある国が多いですけれども。
イラン側からしたら、アメリカが喜ぶ形で他の(停戦条件の)項目であまり譲歩したくない場合は、この(通航料の)項目で工夫をしながら、折り合いをつけていこうと考える可能性はあると思います」
■イラン側にもメリット?
一方、コラムニストの小原ブラス氏は「イランは被害を受けているが、この通航料の徴収が実現すればメリットも見えてきた」と指摘します。
【小原ブラス氏】「イランは(ホルムズ海峡について)『国際海峡ではない』(※)という立場だったんです。
こうやって見ると、イラン側は元々(通航料を)徴収したい立場だったので、この戦争が起きたことによって、結果的には元々のイランの主張が通っていくのは、イランは被害を受けてるけども、イラン側のメリットもちょっと見えてきますよね」
(※国際海峡…国連海洋法条約に基づき、すべての国の船舶・航空機に「通過通航権」が認められているとされる海峡。)
■“通航料”実現すれば原油価格に影響も「高いお金払ってガソリン買うことに」?
通航料の徴収が決まった場合、日本の原油輸入にも影響が出るとみられます。
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」によると、イランは原油1バレル=1ドルの通航料を暗号資産で徴収する方針だということです。
【関西テレビ・神崎博解説デスク】「大きな原油のタンカーって200万バレルぐらいで、1ドルで計算すると1隻のタンカーを通すのに、日本円で3億円ぐらいかかる。
今、ただですね高い原油に対してさらに通航料が上乗せされて、我々としては、高いお金を払ってガソリン買うことになると思います」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月9日放送)