今年度から高校の授業料が無償化され、私学志向が高まり、広島市の私立高校では入学志願者数が大きく増加しています。
一方で、公立高校では定員割れが相次ぎ今、学校選びの構図が変わりつつあります。
今年度から男女共学になった広島市南区の私立・比治山学園高校。
今年は332人の新入生が新たな一歩を踏み出しました。
【新入生代表】
「親のご恩に応え、先生方の教えに沿って素直に明るく自己の特性を社会に生かせるよう、1日1日精進いたします」
少し大きめの制服に袖を通し、高校生活をスタートさせた新入生たち。
これからの3年間に期待を膨らませていました。
【新入生】
「将来英語の先生になるために頑張っていきたい」
「思い出をいっぱい作って勉強も頑張りたい」
いつの時代も変わらない、生き生きした新入生の姿。
一方で、今、私立高校を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。
高校の授業料無償化で、今年度から保護者の所得制限が撤廃され、私立高校に通う世帯への支給上限額が年間45万円余りまで引き上げられ、私立高校も実質無償化となりました。
こうした中、比治山学園高校の入学志願者数は534人と、前の年の2倍以上に増加。
募集定員は前の年より20人増えましたが、志願者が多かったため定員よりおよそ150人多い入学者を受け入れたといいます。
【比治山学園中学・高等学校 大林秀則 校長】
「私学を希望する生徒が増えているということだと思うが、本校は男女共学化と軌を一にしたのでどの程度、私学に対する就学支援金の拡充が入学者の増に繋がっているか具体的にはわからないところもある」
では、保護者は今回の私立の授業料無償化をどう受け止めているのでしょうか。
【保護者】
「無償化になったことで私立も選択肢に入りやすくなると思う」
「(授業料の)負担が減る分ほかのことが色々できる」
「母子家庭なので(授業料の負担は)すごく大きいところ。公立高校と違って授業料がかかるのであれば迷ったかもしれない」
「所得制限がなくなったのでそんなに負担なく通えると言ってもらえた」
比治山学園中学・高校は、男女共学の歴史が始まり、選ばれる学校になるための取り組みに力を入れています
【比治山学園中学・高等学校 大林秀則 校長】
「多様性や男女が共同で参画することが重要視される今の社会において、男女が共に学ぶことによって地域社会に貢献できる人材を育成することが本校の使命であると」
こうした共学化の流れは広がっていて、広島市の進徳女子高校も来年度から「環太平洋大学広島高校」に名前を変え、男子生徒の受け入れを始めます。
一方で、こうした私立人気の高まりを脅威に感じているのが公立高校です。
県内の全日制本校の今年の最終志願者数は1万3737人。
平均倍率は0.94倍で、前の年を0.04ポイント下回り、2年連続で1倍を割り込みました。
さらに、62校、97の学科とコースで定員割れとなっています。
少子化に加え、私立の授業料無償化や学校改革が進む中でいわゆる『公立離れ』が加速しています。
【県教育改革課 山内領二 課長】
「もちろん実質無償化による教育費の問題も大きいと思うが、私立学校自体も共学化や学科改編など各学校の魅力づくり特色づくりに一生懸命努めておられる。公立学校も競争というわけではなくて、主体的に選んでもらえるような学校づくりを進めていかなければいけない」
■■■ スタジオ解説 ■■■
授業料無償化などで私立高校への関心が高まる中、各学校では受け入れ枠を広げる動きも目立ってきました。
県内の4つの私立高校では今年度から普通科の定員を増やしているということです。
瀬戸内高校では、1200人から1467人にそして、桜が丘高校では、912人から1215人に拡大しています。
学校としては今後、入学志願者が増えることを見込んで早めに受け入れ態勢を広げる狙いがあるとみられます。
【コメンテーター 吉中信人さん】
Q:公立高校の定員割れっていうのは、今後どのような影響があるんでしょうか?
A:やっぱり統廃合が加速化されるんじゃないかということがあるのと、それからST比というんですけど、生徒さんと教師との比率が変わらなければいいんですけど、そこで教師の先生の数が減ってしまうと、ちょっとやっぱり密な教育ができるかというのは心配になりますね。