4月1日から自転車の“青切符(交通反則告知書)”が導入される。自転車の交通違反に反則金を課す制度で、16歳以上が対象だ。

113種類の違反に対し、3000~1万2000円の反則金が課されるというが……正直、すべての違反内容を覚える自信がない。

取り締まられやすい違反行為はあるのか?注意すべき場所や時間は?『自転車の安全利用促進委員会』の遠藤まさ子さんに詳しく聞いた。

「違法行為=即、青切符」ではない

【自転車の安全利用促進委員会・遠藤まさ子さん】
どのように取り締まりが行われるかは、始まってみないと分からない部分も多いのですが、「どんな違反行為でも、直ちに青切符を切られる」というのは間違いです。

警察官が違反を現認したら、まずは「指導警告票」を交付するなどして、指導警告を行うのが原則です。

ではどういう時に青切符が切られるのか-。

基準となるのは、警察庁が公表している『自転車ルールブック』です。自転車の基本的な交通ルールと交通違反の指導取り締まりの基本的な考え方についてまとめたもので、昨年9月に公表されました。

これによると、青切符の対象となるのは「悪質・危険な違反」。その中で「重大な事故につながる恐れが高い違反」として3つの行為が挙がっています。

*遮断踏切立ち入り
*自転車制動装置不良(ブレーキなし等)
*携帯電話使用等(保持)

この3つの違反行為は、これだけで青切符を切られる可能性が高いと考えられます。

「ながらスマホ」による重大事故が急増

遮断している踏切への立ち入りや、ブレーキがない自転車が危険なことは言うまでもありませんが、「携帯電話使用(ながらスマホ)」の危険さが同列に扱われているのはなぜか。

「ながらスマホ」は本当に危ないのです。自転車運転中の「ながらスマホ」による事故は2021年ごろから急増しており、そのほとんどが「画面注視」だったことがわかっています。

この5~6年で、スマホの使われ方は「通話」から「画面を見る」が主流となりました。国を挙げて高速回線の普及を進めたことなどもあり、「今、見ないといけない」、「すぐに返信しなければ」といった、“今”にこだわった使い方にシフトしています。

しかし、視線が画面に集中することで視野が大幅に減少し、周囲への安全配慮ができなくなります。集中力も著しく低下し、結果として重体事故や死亡事故といった大きな事故につながっているのです。

もちろん、ながらスマホが危険なのは、歩行者も自動車も同じです。非常に危険な行為として道路交通法全般で厳しくなっており、自転車だけでなく自動車も厳罰化しています。自動車で、ながらスマホにより事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合は、一発で免許停止となる場合もあります。

自転車も「ながらスマホが原因で他の自動車や自転車が急ブレーキをかけさせた」といった、周囲に危険を及ぼした場合は、“赤切符(刑事罰)”の対象となり、“青切符”で反則金を納めれば終わりとはなりません。

いつ、どこで取り締まりが行われるのか?

警察庁の『自転車のルールブック』によると、取り締まりは「自転車の交通量が多い時間帯」、つまり登下校や通勤の多い“朝と夕方”を中心に行われることになります。

場所については「自転車関連事故が発生したり、懸念される場所」とあり、具体的な場所は警察署ごとにウェブサイト等で公表されています。

「自転車指導啓発重点地区・路線」で検索し、お住まいの地域の情報を確認してみてください。情報は随時見直しが行われていますので、目安としていただければと思います。

取り締まり強化は自動車も!“追い越し”に新ルール適用

今回の道交法改正で厳しくなるのは自転車だけではありません。自動車にも新しいルールが追加されます。

例えば4月1日から、自動車が自転車を追い越す場合の「安全な間隔と速度での進行」が義務化されます。具体的な目安として警察庁は「自転車から1メートル以上間隔をあけ、速度は20~30キロ程度で進行する」という基準を明示しています。

無理な追い越しや幅寄せなどは反則金の対象になります。特に妨害を目的とした急な幅寄せなどは、あおり運転とみなされて刑事手続きになる可能性もあるので十分な注意と配慮が必要です。

「自転車は車両!」としっかり意識付けを

単体で青切符を切られる可能性の高い自転車の違反行為は主には3つですが、これら以外でも青切符を切られるケースはあります。

“二人乗りをした状態で信号無視をする”といった「違反を同時に複数行うなどして事故の危険が高まっているとき」や、「違反を指導警告されているにもかかわらず、あえて違反を行ったとき」なども、青切符の対象となります。

要するに“悪質で周囲に危険を及ぼす行為”が取り締まられるということです。逆に言えば、ルールとマナーを守り、周囲の安全に配慮しながら運転している利用者には影響はありません。

そもそもの大前提として、自転車は「軽車両」。自動車と同じ「車両」の一種です。生活用品ではなく乗り物だということを忘れないでください。

そして、歩行者、自転車、自動車それぞれが、互いを思いやって行動すれば、交通事故を防ぐことはできると思います。
(自転車ジャーナリスト・遠藤まさ子さん)

取材:高知さんさんテレビ