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2025年11月、“おいしいもの総選挙2025”の観光商品部門で、最高金賞を受賞した角上魚類の「四色丼」。寺泊本店の限定商品として販売している本商品ですが、投票期間中から受賞後の2025年12月末までの期間限定で、全店舗での特別販売を行い、多くのお客様にお求めいただきました。
大ヒット商品となった四色丼は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか。開発に携わった商品企画本部の金澤さんに話を聞きました。
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寺泊本店らしい新商品づくりから始まった「四色丼」開発
――寺泊本店の限定商品として大人気の「四色丼」。全店での期間限定販売でも多くのお客様からご好評の声をいただきました。そもそも、四色丼の商品開発をすることになった理由は何だったのでしょうか。
コロナ前、寺泊本店の売上が一時期低迷していたことを受け、「寺泊本店らしい新商品を作ろう」と本店担当者と話したことがきっかけです。寺泊本店のお客様は、購入後に食べ歩いたり車の中でお召し上がりになったりしていることが多いため、握り寿司よりも丼が良いだろうと、まず考えました。
今の丼のラインナップは少しありきたりかなと思い、「新しい方向性で」ということで四色丼を作ることにしたのです。三色丼はよく見かけますが、そこに1種類増やすことで、目新しさが生まれるかなと思いまして。
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――四色丼は1000円台で購入できる手軽さが魅力のひとつですが、価格帯は開発当初から決めていたのでしょうか。
そうですね。「1000円台をキープしたい」というのは、絶対条件でした。寺泊の他の店で出せない価格を実現しようと。しかし、「ただ1000円台で売れればいい」わけではありません。満足していただけるボリューム感を保つこと、美味しい食材を揃えることも、当然のことながら必須でした。
――価格帯と商品としての質、両方を実現するのは難しかったのではないでしょうか。
大変でしたね。ネタは、単品の丼で人気のものを組み合わせて、これひとつで特別感を味わえる4種にしようと考えたのですが、販売可能な価格を計算してみると1800円になってしまい、「これは厳しいな」と頭を抱えました。
角上魚類は、社心※として「買う心 同じ心で 売る心」と掲げています。この社心は私も非常に大切にしていまして、商品開発をする際は「自分が客として買って食べたいと思うかどうか」を重視しているんです。
※一般的に社訓、社是と呼ばれるもの
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物価は年々上がっているので、2026年現在であれば1800円でも高価格帯ではないかもしれませんが、当時の1800円は、私の消費者感覚として「高い」と感じた価格だったんですよね。特別なときにだけ食べるものではなく、週に1回は買える価格にしたいという思いが強かったので、何とかもう少し価格を抑える必要がありました。
――どのような工夫で価格を実現させたのでしょうか。
仕入先に相談の上、仕入面でも工夫を凝らしましたが、角上魚類だけで行える工夫として行ったのは容器の選定と盛り付け方ですね。同じくらいのボリューム感でも、容器の形状や盛りつけのバランスによっては具材の間に隙間が空くなどして、実際の量より控えめに見えてしまうんですよ。商品は見た目の印象も大事ですから、すでに十分な量が入っているにも関わらず、見え方のバランスを整えるためにネタをさらに過剰に盛り付けなければならなくなります。そうすると原価が上がり、販売価格も上乗せせざるを得ません。
ただ、容器の選択と盛り付け方次第で、満足できる量かつ見た目的にもボリューム感が伝わるようにできるのです。そこで四色丼用の容器を検討し、盛り付け方法を何回も試行錯誤しました。寺泊本社のバイヤーから「こうすれば見栄えが良くなる」とアドバイスももらいましたね。
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※発売当時の「四色丼」
発売当時のネタは、イクラ、ウニ、まぐろたたき、スルメイカ。いずれも寺泊本店で人気の商品で、すでに食材としての角上魚類の基準をクリアしているものばかりです。ただ、一度作った商品をそのまま提供し続けられるケースばかりではありません。商品の人気が上がるにつれ、使用量が増え、ものによっては仕入れが難しくなるケースがあるんです。
四色丼もまさにそうした商品で、スルメイカの水揚げ量が減ったことを受け、2年前からスルメイカの枠をエビにリニューアルしました。エビも人気商品とはいえ、すでに支持されている商品をリニューアルするには勇気が必要で、現場の意見も取り入れながら開発しました。幸い、リニューアル後も変わらずお求めいただいています。
――イクラ・ウニ・まぐろ・スルメイカを載せた第一弾の四色丼の発売当初の売れ行きはどうだったのでしょうか。どれぐらい売れるだろうと予想されていましたか?
1日で20個売れたらいいなと思っていました。四色丼に限らず、新商品を作ったときは、まず少しだけ店頭に出してみるようにしているんです。まずは6個出してみて、売れたらまた6個、それも売れたら倍の12個……といった具合に。四色丼も同じように売り始めました。正直、発売当初の記憶が定かではないんですよ。見立て通り、無事に20個程度売ることができたからこそ、はっきり覚えていないのだと思います。
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口コミが口コミを呼び、本店の大人気商品へ
――発売後、四色丼はどんどん人気を上げていきましたね。
そうですね。日を追うごとに販売個数が増えていき、ゴールデンウィークでは300個を売り上げました。寺泊本店の看板メニューになってくれそうだなという手応えを感じられましたね。開発して良かった、スタッフにもがんばって売り続けてもらった甲斐があったなと思いました。
――何か売り出し方に工夫はされたのでしょうか。
いえ、特に何もしていません。寿司商品は元から広告を入れずに販売しているので、四色丼も広告なしでどこまでいけるかの挑戦でした。売り場で目立たせるといったこともなく、売り場に他の商品と同じように並べただけです。
――その後、四色丼は“おいしいもの総選挙2025”への応募商品となりました。元から応募する計画があったのでしょうか。
計画はしていません。当社の広報から「“おいしいもの総選挙2025”というものに出してみましょう!」と声をかけられたのがきっかけでした。実は、私としては応募にそんなに乗り気ではなかったんですよ。これまで、角上魚類はあまり賞に出したことがなく、おいしいもの総選挙への応募も前例がなかったものですから。それでも出したのは、広報の熱い気持ちがあったからですね(笑)。
5つほど部門があるなか、角上魚類が出せる部門として、デリカ、生鮮、観光と3つの部門で1商品ずつ応募することになりました。四色丼は観光部門です。寺泊本店で、観光客にもお求めいただいていることからこの部門を選びました。
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――結果は最高金賞です。自信はありましたか?
途中結果で金賞の範囲内には入っていたので、金賞は取れそうかなと思っていましたが、最高金賞が取れるとは思ってもみなかったですね。嬉しかったです。しばらくは口外禁止だったのですが、寺泊本店の人にだけは「誰にも言わないでね」と前置きしたうえで、受賞について知らせました。
――投票期間中から、受賞が決まったあとの12月末まで全店で期間限定販売を行いました。反響はいかがでしたか?
寺泊本店で販売を始めたときと同じで、投票期間中に全店販売を始めた当初は、1日20個程度からのスタートでした。ただ、受賞後は状況が様変わりしましたね。テレビ番組などメディアで取り上げられたこともあり、試算していた以上の売れ行きとなりました。お客様から「テレビで見たあれ、ないの?」と聞かれたり、追加分が並べられるまで店頭でお待ちになられるお客様がいたりと、大好評でした。
――本来は寺泊本店の限定商品です。期間限定とはいえ、全店で本店と同価格で販売するのは難しかったのではないでしょうか。
需要が爆増したことで、これまでと同じ仕入れ価格で原材料を仕入れるのが大変でした。ここは取引先様にかなりお世話になりましたね。寿司ネタには使えない規格外のものも、刻んで載せる丼用としては使えますから、味の質が変わらないものはとにかく仕入れさせてくれとお願いし、必要な量を確保しました。
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――各店舗の方の反応はいかがでしたか?
販売数が5倍10倍と膨れ上がったため、手が回らなくなってしまうという意味で「いつまでやるんですか……!?」と悲鳴を上げられたことはあります。ただ、商品が売れるのはお店の方にとっても嬉しさですから、徐々にそういった声は消え、終了近くには「やめないでください」と言われるようになりました。ただ、原料の仕入れ量がギリギリだったこともあり、予定通りクリスマス頃で一旦は終売。寺泊本店のみの販売に戻しました。
――限定販売期間に、どれだけの成果を出したのでしょうか。
2025年9月から12月末までの期間で、売れた数は13万7685個ですね。売り上げとしては、1億5000万円以上という成果になりました。
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大人気を受け、「四色丼」をリニューアル。再び全店販売へ
――金澤さんはこれまでも多くの商品開発の経験がありますが、今回の四色丼の開発について、あらためてどう感じられていますか?
自分が食べたいもの、買いたいと思ったものは、きちんと評価していただけるんだなと思いました。ただ、常々そこを意識して考えているとはいえ、百発百中というわけにはいかないのが商品開発の難しさではあります。10個作って、1、2個当たるかどうかというなかで、今回の四色丼は過去最大のヒットを生み出せたといっても過言ではないでしょう。私にとっても印象に残る商品になるだろうなと思います。
角上魚類は「とりあえずやってみよう」という雰囲気があり、挑戦させてもらえる会社なんです。「やってみよう」精神があるため、無謀に見える挑戦に臨む人に対し、反発する人はほぼいません。店舗の方も「やってみましょう」と前向きです。売れなければ、「何とかテコ入れできないですか」と言われることはありますけどね。失敗したらそこで終わりではなく、軌道修正するチャンスももらえるのが、角上魚類の良いところだと思います。
私は毎月、全国各地の店舗を巡回し、その店の店長からアルバイトの方まで、みんなから話を聞いているんです。商品の売れ行きだけではなく、「うちの商品で食べたいものある?」と聞いて、そこから実際にメニュー展開に活かしたこともあります。お客様の声を反映した開発をすることもあるんですよ。これからも変わらず、「買う心 同じ心で 売る心」を大事に商品開発をしていきたいです。
――応援しています!最後に、今後の展望をお聞かせください。
四色丼は、寺泊本店限定で特別感のある商品として今後も販売を継続します。さらに、今回の全店での人気を受け、全店で新たに進化した四色丼の提供も決定しました。寺泊本店に行かれる際には、本店限定のスペシャルな四色丼を、他店では進化した四色丼を、手頃なお弁当感覚で、ぜひ召し上がっていただけると嬉しいです。
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