数年前まで120〜130円だった鮭おにぎりが、いまや200円の大台へ。

物流費やコメ価格の高騰が直撃し、コンビニ大手を中心に値上げが止まりません。その影響は客足にもじわじわと出始めており、コンビニの客数は前年同月比で「7カ月連続減少」というデータも。

街で話を聞いても、本音が飛び出します。

【街の人】「買わなくなった。めっちゃ高いじゃないですか。100円、120円のおにぎりが、160円とかになってるでしょ。家でおにぎりを作って持っていく」

【街の人】「前はほぼ、毎日何かあるたびに行ってたんですけど、回数減らしている」

【街の人】「レジ横にあるスナックコーナー。ハッシュドポテトが80円台から130円に…ちょっと許せないですね」

この状況を打破しようと、ファミリーマートでは3月24日から値段据え置きで、人気商品の45%増量キャンペーンを実施。各社が生き残りをかけて、あの手この手で勝負する、まさに「コンビニ戦国時代」が到来しているのです。

そんな中、大手とは一線を画す「斬新すぎるコンビニ」を、関西テレビ「newsランナー」の秦アナが突撃取材しました。

■「ローカルすぎる」を武器に! 京阪天満橋駅の「もより市」

まずやってきたのは、京阪電車・天満橋駅です。

【秦アナ】「京阪電車の天満橋駅にやってきました。ここに『ローカルすぎる』を売りに人気のコンビニがあるそうです。『もより市』さん。どこがローカルすぎるんでしょうか?」

この「もより市」はもともとはお弁当やドリンク、雑貨、新聞などを取り揃える「普通のコンビニ」でした。

ところが5年前、大手とは一線を画そうとローカル路線へと大胆に方向転換!

店長の犬童百々花(いぬどうももか)さんが案内してくれたのは、京阪電車沿線の人気グルメが集結したコーナー。

枚方の「九十九堂本舗」のクリームパン(324円〜)や、「大黒屋」のチーズケーキ(1051円)など、わざわざお店まで足を運ばなくても、ここで買えてしまうのです。

■コンビニで産地直送の野菜!?

さらに秦アナが目を丸くしたのが、野菜コーナー。

【秦アナ】「これ野菜?ものすごい品数があります。コンビニとは思えないぐらいのラインナップ」

【店長 犬童百々花さん】「徳島から直送で野菜を仕入れていて」
【秦アナ】「直送ってコンビニでなかなか聞かないですよね」

まるで地方の道の駅! ダイコン半分が「97円」、“ワケアリ”とはいうもののトマト8個入りが「322円」と、産地直送だからお値段もお手頃です。

初めて来店したという人に感想を聞くと、「いろんなところの食べ物が置いていて、楽しかったです」とにっこり。

北海道のスイーツに、北陸限定の「ビーバー」(スナック菓子)。日本全国のローカルなお菓子がずらりと並ぶ様子は、確かに「ここでしか買えない感」がたっぷりです。

■「品揃え少なすぎ! 水墨画あり!」 伊丹の謎コンビニ「いしづち」に潜入

次に秦アナが向かったのは、兵庫県伊丹市。「独自すぎる路線」で勝負するコンビニがあるというのですが…。

【秦アナ】「見た感じは、ん〜独自さはないですね、普通ですね…」

ところが店に入った途端、秦アナの表情が一変します。

【秦アナ】「ちょっと思っていたのと違いますね。 (商品が)少ない…。そして絵が飾ってあるんですよね…」

さらには、店の中で絵を描いている人まで…。ここはほんとにコンビニ?

【秦アナ】「ここはコンビニ?」

【店長 月本紘八朗(つきもとこうはちろう)さん】「もうバリバリのコンビニです」

棚にはカップ麺が並んでいますが、パンはなんと4個だけ。

【店長 月本紘八朗さん】「食品ロスを出さないような品ぞろえ」

“最低限”の仕入れでロスを抑えています。

■赤字であめちゃんを売る「子供たちが来てくれたら、それだけでうれしい」

お菓子コーナーにも独自の戦略がありました。

【秦アナ】「あめちゃん10円、仕入れ値はいくらですか?」
【店長 月本紘八朗さん】「1個12円ぐらいつきます」

【秦アナ】「え? 12円で仕入れている? いやいや2円赤字!」
【店長 月本紘八朗さん】「赤字、赤字」

【秦アナ】「笑いごとじゃないですよ!」
【店長 月本紘八朗さん】「子供たちがここに来てくれたら、それだけでうれしいですやんか」

子供たちが遊べるフリースペースも併設されています!

■約50年の歴史、今は全国3店舗

「いしづち」は約50年前に愛媛で創業したコンビニ。

一時は西日本を中心に約300店舗を展開していましたが、大手コンビニチェーンの台頭により本部まで消滅。

今、全国に残るのはたった3店舗で、関西には伊丹店のみです。

■コンビニで「水墨画が10万円!?」

そんなお店の「最大の独自戦略」が、店内に飾られた水墨画。

実はこれ、月本店長が通信講座で始めたもの。素質があったのか、これまでにいくつもの賞を受賞しているそうです。

【秦アナ】「もうプロですよ」
【店長 月本紘八朗さん】「墨だけでこれを表現しようと思ったら、なかなか大したもんですやんか。自分で言うのもなんやけど」

そして、この水墨画はなんと販売もしています。秦アナが値段を聞いてみると…。

【秦アナ】「1万円で」
【店長 月本紘八朗さん】「うわ〜! 1万円では売らないです。一桁違います」

【秦アナ】「10万円!?」
【店長 月本紘八朗さん】「そのぐらい」

月に1〜2枚ほど売れるそうで、店内では水墨画教室も開催中です。授業料は2時間で1000円。時給に換算するとたったの500円ですが…

【秦アナ】「全然もうかってる気がしないんですけど」
【店長 月本紘八朗さん】「まあ、もうかってはないですね」

■「家族みたい」 34年間支え続けるパートの存在

売り上げを支えているのは、手作りお弁当です。

看板にも「手づくり弁当の店」の言葉が。人気の「手作りとんかつセット」はご飯なしで大きなとんかつがどど〜んと1枚、副菜もすべて手作りでなんと400円です。

【秦アナ】「めちゃくちゃ安いですよこれ!」

1日40個ほど売れ、利益率は2〜3割だといいます。

その弁当を毎朝6時から作り続けているのが、パート歴34年の新屋和美さんです。

【パート歴34年 新屋和美さん】「両親が病気で介護することになり、普通の職場だと介護と両立できない。店長が介護できるように融通をきかせてくれた」

その恩義を感じた新屋さんが34年間続け、二人三脚で歩んできました。

【パート歴34年 新屋和美さん】「(一緒にいる)時間が長すぎて、家族みたい。お父さんみたいな感じ」

常連客も口をそろえます。

【常連客】「おいしいです! 手作りなので気に入っている。10年ぐらい来ている」

【常連客】「唐揚げおにぎりが一番好き。ずっとこれ食べてます」

■「コンビニ戦国時代」生き残りをかけ

なお、こちらの「いしづち」。店長によると月の売り上げは100万円を切る「ギリギリ」の経営状態だといいます。

それでも店長は「ずっと続けたい」と話します。

【店長 月本紘八朗さん】「いつまでって…ずっとですやん。体がへたってしまって、これ以上は無理やっていうところが来たら、閉めなしゃあない。それまでは続けたい」

「コンビニ戦国時代」に生き残りをかけ、それぞれの店が独自の努力をしています。

(関西テレビ「newsランナー」2026年3月27日放送)

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