5年前、交際相手の生後4カ月の次女を激しく揺さぶってけがをさせた傷害罪に問われ、今月13日に大阪地裁で無罪判決を受けた男性について、検察が控訴しました。
これを受けて男性はコメントを発表し、「検察が作ったストーリーにこだわっているとしか思えません」と訴えました。
また男性の弁護団は「冤罪被害者である男性の立場も全く無視し、公益の代表者としての検察官の立場も忘れた控訴」とコメントしています。
いわゆる「揺さぶられっ子症候群(SBS)」を巡る裁判では今月福岡地裁と宇都宮地裁でも無罪判決が出てその後確定。
2歳の娘への傷害致死罪に問われた今西貴大さんも逆転無罪が今月確定していて、1カ月で3件もの無罪判決が確定する異例の事態でした。
■大阪地裁「検察は外傷が原因であるとの立証ができていない」指摘
40代の男性は2021年3月、大阪府内の交際相手の生後4か月の次女を激しく揺さぶって硬膜下血腫などを負わせたとして傷害罪で起訴されました。
大阪地裁(三輪篤志裁判長)は、13日の判決で「けいれんによる低酸素で出血した可能性は否定できず検察は外傷が原因であるとの立証ができていない」と男性に無罪を言い渡しました。
この判決を不服として、大阪地検はきょう=27日、控訴しました。
■控訴受け男性「検察が作ったストーリーにこだわっているとしか思えません」
検察側の控訴を受けて、男性は次のようにコメントしています。
【男性のコメント全文】
信じられない思いで言葉が浮かびません。真実が何かより、検察が作ったストーリーにこだわっているとしか思えません。
これまでも述べてきたとおり、わたしは絶対に暴行などしていません。
無実の人間を、何とか有罪に持っていこうとしているようにしか思えないのです。あまりに酷いと思います。大阪地検には怒りしかありません。
■弁護団「冤罪被害者である男性の立場も全く無視し、公益の代表者としての検察官の立場も忘れた控訴」
また弁護団はコメントしています。
【弁護団のコメント全文】
本日、検察官は茨木AHT(※1)事件の無罪判決に対し、控訴を申し立てた。
(※1 AHT…「Abusive Head Trauma」の略。虐待による乳幼児頭部外傷を指す。)
茨木AHT事件では、外力の痕跡も認められず、内因によることが明らかな事例であり、明らかに無実の事件である。
これまでSBS/AHT事件で無罪事件が相次いでいること、特に今西事件(※2)と同じ構造であって、今西事件は最高裁で無罪が確定していること、今月だけでも福岡地裁や宇都宮地裁でも、無罪が出て確定していることをも無視したものというほかない。
(※2 2歳の娘に暴行して死亡させた罪に問われ、逆転無罪が確定した今西貴大さんの事件。)
相も変わらず、SBS/AHT仮説に固執する一方、冤罪被害者である男性の立場も全く無視し、公益の代表者としての検察官の立場も忘れた控訴である。検察の面子にのみこだわる許しがたい暴挙と言うほかない。
弁護団は、男性の無実を明らかにすべく、控訴審でも全力で闘っていく所存である。