不正な受給は、少なくともあわせて150億円。大阪市は、障害者の就労支援を行う事業所が、給付金を不正に受け取ったとして、行政処分を行いました。
【元利用者】「不正受給のコマにされているような印象です。まだ同じようなお金儲けを続けるのかと本当に憤りを感じます」
こう語ったのは、障害者のための就労支援を行う事業所を利用していた男性。
大阪市はきょう(27日)、この男性が利用していた事業所を含む、「絆(きずな)ホールディングス」が管理する4つの「就労継続支援A型事業所」に対し、行政処分を行いました。
■利用者1人につき複数回 国や自治体から支払われる「給付金」受け取る手口
処分の理由となった「給付金の不正受給」の仕組みは次のようなものです。
A型就労事業所では、利用者が民間企業などの一般就労先に就職すると、国や自治体から実績に応じた給付金が支払われます。
しかし、今回不正が発覚した4つのA型事業所では利用者を一度、自社で「一般就労のスタッフ」として雇用。
その後、再び利用者として事業所に戻し、また自社で雇用するというグループ内での変更を繰り返していました。
この結果、利用者1人につき複数回、国や自治体から支払われる「給付金」を受け取っていたということです。
■大阪市はペナルティ含め110億円余りの返還・指定取り消しの行政処分
おととし4月からことし1月までに不正に受給した金額は、あわせておよそ150億円。
大阪市は、市が支給したおよそ79億円にペナルティを加算した110億円あまりの返還と4つの事業所の指定を取り消すことを決めました。
【大阪市福祉局 杉ノ内順子課長代理】「利用者の意思だとか本人の障害の状態とか能力だとか状態を考慮されずに、機械的に“行ったり来たり”をしていると」
【大阪市福祉局 井上愼一課長】「制度の抜け穴というところをつかれたところによるものが大きいのかなと」
■「何度でも一般就労にチャレンジできる」をうたい文句に募集と元職員
関西テレビは絆ホールディングスグループの元職員に接触。
元職員によると、会社はこの仕組みを「プロジェクト化」していて、利用者の自立や成長に繋がるとアピールしていたといいます。
【絆ホールディングスグループの元職員】「利用者さんの目線では、何度でも一般就労にチャレンジできるっていう、うたい文句で。
要するに、1回試しに正社員で経験してみて、無理やったらまたA型に戻れるってうたい文句で募集が行われていました。
裏の目的としては、就労移行支援加算金を受け取るために、繰り返し、繰り返し書類上やっていたっていうことになりますね」
■元利用者「不正受給のコマにされてるような印象です」
一方、利用していた男性によると、就労支援の実態は業務に関連するYouTubeの動画を視聴するなどの自習が大半。
さらに、十分な説明もないまま、スタッフから利用者に戻されていて、自立や成長には繋がっていなかったと言います。
【元利用者】「基本的にA型の(事業所で)スキルを身につけた人間が一般就労にあがるものだと思っていたので。
またA型(事業所)に戻すという話を聞いたときに違和感はありました。当初は私のスキルが足りなかったから、A型に戻されたんだと思いました。
(Q.業務の内容は変わった?)
【元利用者】「一切変わっていません。もう本当に不正受給のコマにされてるような印象です」
本来、利用者の希望や適性にあわせた支援が求められる、就労支援。
関西テレビの取材に絆ホールディングスは、「行政と返還手続きを進めていく」とコメントしています。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月27日放送)