街の身近な話題を深掘りする「キニナル!」。今回は毎週土曜日に放送している「ダイブツのイマダ!」から七夕のようなロマンあふれる話題です。
富山県内に『流れ星で作った刀』があるという話を聞いたことがありますか?
その手がかりを求めて上市町で発見された流れ星(=隕石)について記した石碑がある場所を訪ねました。
上市町の千石神社に行ってみると。
「こちらが、石碑になります」
「白萩隕鉄の碑」
文献によると、白萩隕鉄は明治23年に旧白萩村で発見された隕石を指し、重さ22.7キロでU字形をしていたとされています。その実物は…。
*上市町教育委員会学芸員 牧野謙汰さん
「実は現在はなくて、東京の国立科学博物館さんに収蔵されている」
東京の国立科学博物館に収蔵されるほど貴重なものです。
今からおよそ130年前に富山に落ちたU字型の隕石とは…。
「こちらが白萩隕鉄です」
こちらが富山に落ちた隕石、白萩隕鉄です。
確かにU字形をしていますが、表面には滑らかな断面も見られます。
この断面はなぜできたのでしょうか。
*国立科学博物館 諏訪部優子さん
「こちらの隕鉄を利用して流星刀という刀を作ったので、そのあとが残っている」
Q)その刀は今どこに?
*国立科学博物館 諏訪部優子さん
「流星刀は5振作られまして、長刀の内ひとつは当時の皇太子に献上されたものになります。残りの4つですが、ひとつは戦時中に焼失してしまいまして、残りは東京農業大学と龍宮神社、北海道にある龍宮神社。それで残りのひとつは、富山市科学博物館に現在は所蔵されています」
隕石で作った刀、流星刀を求め、富山市科学博物館へ。
流星刀は一般公開していないため、今回は特別に見せていただきました。
「こちらが流星刀の鞘になります」
Q)これが白萩隕鉄から作られた刀、流星刀なんですね?
「上市に落ちた白萩隕鉄を材料にして作られた日本刀になります」
Q)普通の日本刀と何か違いは?
「表面をよく見ていただくと、文様というか、まだらな模様みたいなモノがくっきりと出ているんですけれども、こういった所が普通の刀よりも模様が出ているのが特徴かなと思います」
そして、刀の銘の部分には鉄隕石から作られたことを表す『星鉄』の2文字が金色で刻まれています。
「日本に落ちた隕石を使って作られた日本刀は流星刀だけで」
では、流星刀誕生の背景には何があったのでしょうか。
*国立科学博物館 諏訪部優子さん
「こちらの白萩隕鉄は、明治政府で大臣も歴任した榎本武揚氏が買い上げたもので」
榎本武揚は幕末から明治時代に活躍した旧幕臣であり、政治家や外交官を務めた偉人。また、語学が堪能だったことから、ロシア駐在公使として外交手腕を大いに発揮しました。
その際、ロシア皇帝が鉄隕石で作られた刀を所持しているのを目にした榎本武揚は、白萩隕鉄を自費で購入し、刀工に命じて「流星刀」を作らせたとされています。
「流れ星で作った刀」について調査した結果、上市町で発見された白萩隕鉄という鉄隕石を材料に作製されたこと。そして、その鉄隕石を実費で購入してでも作りたかった近代日本を生きた一人の偉人のロマンが込められていました。
身近な場所にも、まだ知られていない歴史が残されていることを改めて感じました。
