赤い文字で「盗むな!」と書かれ、ぎょろりとした目玉マークがにらみを利かせる、壁の貼り紙。

神奈川県の山小屋で設置されていた消火器が、何者かに盗まれる被害が相次いでいます。

神奈川県 自然環境保全センター 自然公園課・髙瀬昭課長:
正直ショックでした。なんでそこまでするのか理解ができなかった。

消火器が相次いで盗まれたのは、ハイキングや登山の名所として人気がある神奈川県の丹沢大山。
その国定公園内にある複数の山小屋です。

最初の被害は2024年11月。
不動ノ峰休憩所でのことでした。

当時の状況について、自然環境保全センターのスタッフは「小屋は普通な感じだったが、パッと見た時“なんか違うな”と…。よく見たら…消火器がないことに気がついた」と振り返ります。

この時は消火器の盗難だけでなく、鍵付きの収納庫が壊されていたといいます。

さらに被害は続きました。
翌月には、最初の被害箇所から直線距離で約11km離れた畦ヶ丸の山小屋で、2025年1月には三ノ塔の山小屋など3カ所で消火器がなくなっていたといいます。

相次ぐ被害を受け、消火器を改めて設置する際には「盗むな!」の貼り紙をするなどして再発防止を図りました。

神奈川県 自然環境保全センター 自然公園課・髙瀬昭課長:
(壁に)注意喚起のポスターと、消火器自体に神奈川県の名称と、持ち出し禁止シール、県のマークを塗装して転売できない形の対策を施しました。

ところが、2025年5月三ノ塔の山小屋で2度目の被害が確認され、その後別の場所でも盗まれました。
これまでに合わせて6カ所の山小屋で7個の消火器がなくなったといいます。

丹沢山系では、2026年1月、山小屋が火元となる山火事が発生。
山小屋は全焼し、火は付近の山林にも燃え移りました。

髙瀬課長は「初期消火ができなくなると、そこからさらに山火事に発展していく場合がある。非常に困惑している」といいます。

自然環境保全センターは警察に被害届を提出済み。
現在も2カ所の山小屋には消火器が置かれていない状態だといいます。

神奈川県 自然環境保全センター 自然公園課・髙瀬昭課長:
“山の人は良い人ばかり”かなという思いがあったので、正直ショックでした。盗んだ方には「消火器を返してほしい」と言いたい。

狙われた山小屋の消火器。
真相は謎に包まれたままです。