熊本市動植物園のアイドル、レッサーパンダの『杏香(あこ)』が、24日朝、愛知県に向けて旅立ちました。24日は休園日でしたが、午前6時のお見送りに多くのファンが駆け付け、別れを惜しみました。

【ファン】
「いってらっしゃい」

24日朝、熊本市動植物園から1台の車両が出発しました。

中に乗っていたのは、メスのレッサーパンダ『杏香』です。

2023年6月に、父・かぼすと母・シンファの間に生まれた『杏香』。元気いっぱいなおてんば娘は、子どもから大人まで多くの人に愛されてきました。

ですがそんな杏香も、あと2か月あまりで3歳。繁殖適齢期を迎えたことから、ペア形成や繁殖を目的に愛知県にある動植物公園への引っ越しが決まっていました。

そのような中、動植物園はあるイベントを企画しました。

【参加者】
「お別れ会があると聞いたので即、応募した。絶対当たらないと思っていたから、(当選した時は)みんなで踊った」

『杏香』のお別れイベントです。

この日は約10倍という倍率の中から抽選で選ばれた15人が、『杏香』のためにケーキを作りました。

【職員】
「いいですね」

参加者はサツモイモやミカンをかわいい形にカット。大好物だというリンゴは、多めに用意しそれらを木の台座に飾りつけ、特製のケーキを完成させました。

そしてケーキは、『杏香』のもとへ。

【飼育員】
「杏香、行ってらっしゃいのケーキのプレゼントです。それでは扉を開けます」

恐る恐る近づく『杏香』、ケーキとわかると無我夢中で食べ始めました。

その愛くるしい姿を、参加者たちはうれしそうに見つめていました。

【参加者】
「すごく特別で、言葉にならない貴重な経験、いい経験になった」
「楽しく食べてくれるかなと思って、(ケーキを)作った。遠くに行っても元気で、今のように人気者になってほしい」

『杏香』は、ふるさと・熊本で最後の思い出を作りました。

そして、24日朝。多くのファンが動植物園に集まりました。

【ファン】
「東京から杏香に会いに通っている。辛すぎて泣く。熊本のお姫様なので熊本の杏香でなくなるのが寂しい」

「(いなくなるのが)さみしい」

午前6時、いよいよ、お別れです。

【職員】
「扉閉めます」

集まった人たちは、『杏香』とのこれまでの思い出を振り返りながら、車が見えなくなるまで手を振り続けていました。

【ファン】
「さみしかった。みんなに愛されるレッサーパンダになってほしい」

「赤ちゃんで生まれた時からずっと見てきて、会いに来ていたので、癒しとパワーをもらえる存在だった」

【熊本市動植物園・レッサーパンダ担当飼育員 北川 勇夫 班長】
「(運ぶための箱に)すんなり入ってくれて良かったという安堵感と、ちょっとした寂しさがあった。寂しい気持ちでいっぱいだが、向こうの環境に早く慣れて元気に過ごしてくれればそれが一番いい」

動植物園のアイドル、レッサーパンダの『杏香』。新天地でも多くの人に笑顔を届けてくれることでしょう。

『杏香』は車や飛行機を乗り継ぎ、午後には愛知県の豊橋総合動植物公園に到着。早速、元気な様子で、大好物のリンゴを食べたということです。

テレビ熊本
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