自民党は12日、中東情勢の悪化が長期化するとの懸念が高まる中、「ホルムズ海峡を経由しない代替ルートの確保」や「予備費の活用」を含めた電気・ガス価格の高騰対策などを盛り込んだ緊急提言を取りまとめた。
党のイラン情勢に関する関係合同会議が取りまとめた緊急提言では、国内にある石油の「量」に関して、「官民合わせて約8か月分と世界的にも高い水準の石油備蓄を積み上げてきた」と評する一方で、「価格」については、「状況が長期化すると、ガソリンなどの石油製品価格や電気料金・ガス料金の上昇につながり、ひいては食料品、生活用品等の物価にも影響が及ぶ」と危機感を強調した。
その上で、政府に対して、石油の「量」と「価格」の両面について、
▼輸入する原油の約9割が通過する「ホルムズ海峡を経由しない代替調達先や代替ルートの確保など、機動的かつ迅速な対応」
▼ガソリンや電気・ガス代の高騰対策として「予備費の活用を含め、前倒しであらゆる対策の検討」
などの対応を求めた。
また、提言では、「現在のイラン情勢では、事態のさらなる悪化・深刻化があれば、船舶戦争保険に対する欧州の民間保険会社による再保険が付保されなくなる、あるいは保険料が高騰し海上輸送が成り立たなくなるという脆弱性を明らかにしつつある」と指摘し、エネルギーや食料などの海上輸送を安定的に行うため、民間の保険を政府が補完する「再保険」と呼ばれる仕組みの活用などを求めた。
小林政調会長は、提言の取りまとめにあたり、「中東情勢において、どういう状況であっても国民生活守りきらなければならない」と強調し、近く緊急提言を高市首相に渡す考えを示した。
高市首相は11日、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖による石油輸入量の減少に備え、石油の「民間備蓄」15日分と「国家備蓄」1カ月分の放出を16日にも開始するとともに、ガソリン価格を1リットルあたり170円程度に抑えるための補助金制度を、19日から再開する方針を発表している。