全国初の摘発です。

京都府内で少年にニコチン入りの電子たばこ、いわゆる”ニコパフ”を販売した疑いで大学生の男が書類送検されました。

いま、若者を中心にまん延する”ニコパフ”とはどのような物なのでしょうか?

■若者の間で流行か?”ニコパフ”

関西を代表する繁華街、大阪・ミナミ。

大阪市内での路上喫煙は条例で禁止されていますが、まだまだ喫煙する人が見られます。中でも目立ったのは…。

【記者リポート】「あちらの男性は、紙タバコよりも大きな器具で何か吸っていますね」

若者が手に持つのは、見慣れない器具。

(Q:いま手に持っているものは?)
【”ニコパフ”を使用する20代】「”ニコパフ”です。見た目がかわいい、めちゃくちゃ」
【2カ月前まで”ニコパフ”を使用していた20代】「おいしいので吸いやすい。めっちゃ流行っています」

■普通の「電子たばこ」はニコチンなし

若者から口々に聞かれた”ニコパフ”とは、「ニコチン入り電子たばこ」のことです。

一般的な「電子たばこ」にはニコチンは含まれていません。

”ニコパフ”は、日本では厚生労働省の承認を受けておらず、販売や譲渡などが法律で禁止されています。

一方で、使用に関しては規制の対象外となっていて、未成年など若者の間で違法に売買され、いま急速に広がっているとみられるのです。

■”ニコパフ”で全国初の摘発

【記者リポート】「大阪府警はきょう=9日、”ニコパフ”の違法販売を全国で初めて摘発したと発表しました」

大学生の男(21)が去年11月、京都府内で知人の男子高校生(当時17)に、”ニコパフ”10個をあわせて4万円で販売した薬機法違反の疑いで書類送検されました。

さらに、購入した男子高校生も知人に転売した疑いで書類送検されました。

捜査関係者によると、大学生の男はこれまでに28万円あまりを売り上げたということで、「海外のサイトで購入し、小遣い稼ぎをしようと思って販売を始めた」と容疑を認めています。

■「見た目はほぼ一緒」気軽に手に入る現状

なぜ若者に”ニコパフ”の違法販売が広がっているのか。

取引の実態を知る人に独自に接触しました。

【取引の実態を知る人】「ニコチンの『あり』か『なし』はほとんど見わけがつかない。大阪の繁華街では売っているお店も多かったり、個人店で売っていたり、キャッチが売っていたりというのは聞きますね」

気軽に手に入り、「ニコチンがない」と偽って販売されるケースもあるといいます。

■知人間で譲渡や売買の実態も

さらに取材を進めると、実際に知人間で譲渡や売買がされていることも見えてきました。

【”ニコパフ”を使用する20代】「プレゼントで貰ったから、『じゃあ吸ってみよう』という感覚で吸ってます」

【2カ月前まで”ニコパフ”を使用していた20代】「友達の友達が回して(売買して)いて、『警察には見つからんといてな』みたいに言われて。「明日お金渡してくれたら”ニコパフ”渡せるで」(と言われて)。(”ニコパフ”の)写真を送ってくれて買うみたいな」

さらに”ニコパフ”をきっかけに薬物に手を出した知人も。

【2カ月前まで”ニコパフ”を使用していた20代】「(知人は)薬物入ったやつは中国から買ったり、海外は違法じゃないところもあるのでそこから買ったりして」

(Q:”ニコパフ”を入口に?)

【2カ月前まで”ニコパフ”を使用していた20代】「そうですね」

■専門家「危険な違法薬物に手を出すリスクも」

電子タバコに詳しい専門家は…。

【鳥取大学医学部・桑原祐樹助教】「普通のたばこも加熱式たばこも20歳未満喫煙禁止法で『20歳以上だと合法的に使っていい』という扱いなんですけども、電子タバコはその辺(規制が)無い。より危険な大麻や、話題のエトミデート(ゾンビたばこ)みたいな違法薬物とかに手を出すリスクをはらんでいる」

規制の網をくぐり若者に広がる”ニコパフ”。

違法薬物の入口になるおそれもあり、注意が必要です。

■「そろそろ考えるべき時」と西脇弁護士

元テレビ朝日アナウンサー・法務部長の西脇享輔弁護士は「電子たばこの法規制を検討する時が来ている」だと話しました。

【西脇享輔弁護士】「法律もこういった新しい商品と技術に追いついていない部分もあって、電子たばこ自体については、器具自体は売ろうと思えば売れる。それはあくまでもニコチンが入っていない『良い香りがするもんだよ』ということで売られているが、ニコチンが入っていたりとか、さらには、大麻の成分が入ったものが売られていたりとか、さらにもっと酷くなると、覚醒剤の成分が入るとか、色んなものがあるということ
だとすれば、(違法薬物などへの)入口にならないように、そろそろ電子たばこについても法律の規制全体について考えるべき時が来てるのかもしれない。

海外だと、シンガポールはじめとして、電子たばこ自体を禁止という国もある。そういうところを参考にして、そろそろ考え始めなきゃいけないんじゃないかなと思います」

(関西テレビ「neewsランナー」2026年3月9日放送)

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