広島電鉄は広島市中心部を周回する路面電車の「循環線」を開業しますが、もう1つ、新たな取り組みを初めています。
9日朝、広島電鉄の千田車庫から出てきた路面電車が向かったのは…広島市中心部を通る横川線です。
十日市町から別院前の区間で行われている”速度アップ”の試験運転。
【辰已キャスター】
「最高時速50キロの試運転車両が電停を出発しました。加速も力強いです。近くを走っている車と同じスピードで走っていっています。10キロでこれだけ違うんですね。減速もスピードが出ていたもののゆるやかです」
路面電車の最高速度は時速40キロ以下と定められていますが、全国で初めて国の許可を受けて車と併走する区間でこれまでより10キロスピードが上がります。
【広島電鉄・山瀬隆明電車運輸車両部長】
「昔の路面電車と比べると、どんどん車両が高性能になっているので、その性能をいかしきれていないというところがありました。今回最高速度があがることによってほかの自動車交通と同じように走れるのではないかと考えております」
40キロで走行する電車と比べてみると…スピードの違いがはっきりとわかります。
【広島電鉄・山瀬隆明電車運輸車両部長】
Q:一段階、速さが違うなと体感しましたが、乗っていたらそんなにわからない?
「そうですね、あっという間に40キロを超えて50キロまでいきます。50キロにあげるとまたすぐに減速するようになるので、50キロ走行を見ることができるのは電停と電停の間のわずかな区間になると思います」
速度アップをきっかけに時間短縮はもちろん、事故の防止にも効果が期待されているんです。
【広島電鉄・山瀬隆明電車運輸車両部長】
「路面電車と自動車の事故で一番多いのは、自動車が路面電車の直前で、右折侵入で入るのが多いです。路面電車に気づかなかったときくことがありますので、同じように走っていけば、ある程度、車に認識してもらえるのではないか」
広電は駅前大橋ルートの開業や”快速便”の導入など様々な取り組みを進める中で、さらなる利便性の向上を図ります。
【広島電鉄・山瀬隆明電車運輸車両部長】
「公共交通を少しでも利便性を高めて、今は小さな一歩なのですが、今後広がって、全国の路面電車にも広がっていくことが考えられます」
試験運転が問題なければ数カ月先には乗客を乗せ、営業運転を開始します。
■スタジオ
ーー試運転は一部区間ですけど、本格運用になったら全区間時速50キロで走るようになる?
そうではありません。
そもそも路面電車が走る速度は自動車の速度制限に合わせられています。
試運転が行われている十日市町~別院前の区間は時速50キロすが、場所によっては30キロのところもあります。
ですから、運用が始まってからもそれぞれの道路の制限速度に合わせて走行することになります。
電停間の距離も短いですから、速度アップ=時間短縮ではない?
その答えは…「現段階では」となります。
現在、広島電鉄では、快速便の導入や電停の統合、信号の整備を行っています。
将来それらが組み合わさったときに、結果的に電停と電停の距離が伸びて、スーッと50キロで走る距離が伸びて時間短縮につながる、利便性向上に繋がるということです。
また事故防止にもつながることで、電車の利用者だけでなく、道路を走る人も便利になることが期待されています。