イラン情勢ですが戦闘が始まって以降、様々な情報が錯綜(さくそう)している状況です。
その錯綜する情報の真偽について、フジテレビ・中本智代子解説副委員長と見ていきます。
宮司愛海キャスター:
まずは、イランが停戦を打診していたのではないかという話ですけれども、アメリカのニューヨーク・タイムズは、イラン情報当局が停戦情報に関する協議を第三国の情報機関を通じてアメリカ側に打診していたと報じました。アメリカ側の反応は、イランの指導部のメンバーが相次いで殺害される中で、合意を締結できる人物がいるか懐疑的に見ているということです。そしてイラン側は、イラン当局者によると、アメリカ側へメッセージは送っておらず、アメリカのメッセージに対しても一切応答しないとしています。
青井実キャスター:
アメリカ側がこれを発表したわけですね?
フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
発表というか、ニューヨーク・タイムズという大手の新聞が報じたんですが、当然、アメリカメディアはトランプ政権、ホワイトハウスを中心に情報を収集するので、もしかしたらこれまで協議を仲介してきた中東の国などがアメリカ側に、停戦をしたほうがいいんじゃないかと提案、アドバイスをしてきたことを、ホワイトハウスが楽観的もしくは希望的観測も交えてイランの希望、停戦したがってるんじゃないかと捉えた可能性もあると思いますが、5日朝、日本にいるイラン大使に会ったところ、「こんなことはあってはならない、許してはならない」というふうに言っていて、停戦を持ち掛けるという状況には全く見えませんでした。
宮司愛海キャスター:
そしてもう1つ、スペインとの協力に関してアメリカ・ホワイトハウスのレビット報道官は、イランへの軍事作戦を巡って、基地の使用を拒否していたスペインがアメリカ軍と協力することで合意したと述べました。
これは当初、イランへの攻撃で基地使用を拒んだスペインに対し、トランプ大統領が貿易の全面停止に言及したことが理由にあるとしていましたが、一方でスペイン側は、そもそもこの戦争に反対で国際法違反と指摘し、スペインのアルバレス外相は「断固として否定する」そして、「政府の立場は一切変わっていない」ということで基地の使用は認めていない、協力も行っていないという考えを強調しています。
この双方の食い違いについて、どうでしょうか?
フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
今回、レビット報道官が主張したことは、スペインに対しトランプ大統領が貿易を中止すると脅しをかけたので屈しないわけはないだろうという思い込みなんじゃないかと思います。つまりスペイン側の「屈していない」「基地を使わせない」という主張は変わっていないと思います。スペインは今回のイラン攻撃だけではなく、ガザを攻撃しているイスラエル、ウクライナを侵略しているロシアについてずっと非難を続けていて、いきなり戦争に参戦することはないと思います。それは歴史的なトラウマがスペインにはあって、イラク戦争に加担してしまったという反省があり、ヨーロッパで最も反戦意識が強いともいわれているので、いきなりアメリカに協力することは考えにくいと思います。
青井実キャスター:
柳澤さん、改めて今回の軍事作戦や紛争の中での情報戦についてどう捉えていますか?
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
トランプ大統領は10点満点中で15点とっていると自画自賛しているんですけれども、はっきり言って出口戦略がしっかり描ききれているとは言えないと思います。勝った勝ったと言っているのはイスラエルの思惑と必ずしも沿ってるとは思いませんから、トランプ大統領は一流の出口を探し始めるきっかけにしたいと思っているのかなと。
宮司愛海キャスター:
そして3つ目はクルド人を巡る話です。レビット報道官は、トランプ大統領がイラクやイランを拠点にするクルド人勢力の指導者と会談を行ったと明かしました。合意はしていないと否定はしましたが、体制転換への軍事支援を協議した可能性が指摘されているということです。そもそもクルド人というのはイラク・イラン・シリア・トルコなどにまたがって暮らしている“国を持たない世界最大の民族”として知られていまして、これまでも2003年のイラク戦争や「イスラム国」の掃討作戦などでアメリカと連携をしてきました。
このニュースに関してFOXニュースが伝えているところによると、イラクのクルド人がイランへの地上作戦を開始したと報じていますが、クルド系情報筋はイランとの戦闘の関与を否定しています。そして、イランのタスニム通信はアメリカメディアからのクルド人の陸路侵入に関するニュースは全て嘘であるとしています。
青井実キャスター:
中本さん、この情報についてどうでしょうか?
フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
実は、トランプ大統領は攻撃開始の翌日に既にクルド人の指導者と電話で会談していて、それは事実ではあるんですけども、武器を持たせて地上戦に加わらせて、自分たちは地上戦に参戦しないということを描いているかもしれませんが、クルド側は反対しています。
青井実キャスター:
柳澤さん、このクルド人の話についてどうでしょうか?
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
イランに限らず中東地域は民族、それから宗教・宗派が複雑に入り組んでますから、それぞれの思いというのは違うので、一見、1つの方向に動いているように見えながらも同床異夢の現実があることを忘れてはいけないと思います。