和歌山県串本町の金融機関で、金庫にあった運営資金1億円余りを横領した罪に問われた元店長の男に和歌山地裁田辺支部はきょう=5日、拘禁刑4年10カ月の実刑判決を言い渡しました。
業務上横領の罪で判決を受けたのは、なぎさ信用漁業協同組合連合会・串本営業店の元店長・新田博志被告(45)です。
新田被告は去年9月、顧客への払い出しなどのために店内の金庫で保管されていた運営資金1億600万円を私的に使うために横領した罪などに問われていました。
金庫を確認した従業員が現金の代わりに「こんな形で皆さまを裏切ることになり、本当にごめんなさい」との直筆の手紙を金庫に残して姿を消し、無断欠勤を続けた新田被告はその3日後に東京の新宿警察署に出頭して逮捕されました。
当初の調べに対し新田被告は「借金の返済で、ほとんど使ってしまいました」などと話していましたが、その後の調べで、金額の8割近くを複数の顧客に送金するなどしていて、捜査機関にも現金1200円を押収されていました。
判決で和歌山地裁は「被告自身が直接費消した金額の割合こそあまり大きくないともいえるが、顧客への送金は被害の付け替えにすぎない。犯行の背景にはギャンブルを原因とする浪費があり、本件以外にも過去20年近くに渡る不正領得がうかがえる」と指摘。
その上で「自分の所属する金融機関への信用という業務の根幹を損壊する行為であり、被害は甚大。刑事責任は極めて大きい」などとして拘禁刑7年の求刑に対して、拘禁刑4年10カ月の実刑を言い渡しました。