観光庁が2月に発表した「宿泊旅行統計調査」で、鳥取県の2025年1年間の外国人延べ宿泊者数が19万8930人となり、過去最多を更新した。
前年から68%の大幅増加で、伸び率は全国の都道府県でトップとなった。
韓国人観光客を魅了するコナンの聖地
「コナンが好きです。米子市に来る前にアニメをたくさん見ました」
人気漫画「名探偵コナン」の聖地として知られる北栄町の青山剛昌ふるさと館には、3月4日も大勢の韓国人観光客の姿があった。
韓国・ソウルから米子空港を経由して訪れた観光客は「中学からコナンがめちゃめちゃ好きです」と話し、作品への愛情を語った。
青山剛昌ふるさと館の河崎積館長は「おかげさまで昨年と比べると、かなりたくさんの海外の方においでいただいている」と手応えを語る。2025年4月から2026年3月までに同施設を訪れた外国人は1万9000人余りとなり、年度別の過去最多を更新する見通しだという。
国際路線の拡充が鳥取観光を押し上げ
鳥取県国際観光課の谷本敦課長は「ようやく地方のほうにもインバウンドのお客様がお見えになったということで率直にうれしい」と喜びを表現した。県では、この急増の要因としてソウル便の増便や台湾便の新規就航による米子空港の国際路線拡充、さらに2025年開催された大阪・関西万博からの流入効果が大きかったと分析している。
特に直行便の効果は顕著だった。青山剛昌ふるさと館では、来館者が前年同期比で韓国は約1.3倍、台湾は約3.2倍に増加した。河崎館長は「韓国の空港との飛行機の便がデイリー化されたことは大きな変更だと思いますし、台湾が週2便となったことも我々にとって大きな追い風となった」と便数増加の効果を評価した。
国際情勢の影響と今後の戦略
一方で、国際情勢による影響もみられた。外国人宿泊者数では中国が3万1000人余りで地域別最多となったものの、高市総理のいわゆる「台湾有事」発言の影響で、青山剛昌ふるさと館でも年末・年始や旧正月など書き入れ時の来館者が大幅に減少した。
しかし、韓国や台湾便の増便効果により、中国との関係悪化の影響は最小限にとどまったという。これは鳥取県にとって、特定の国に依存しない多角的なインバウンド戦略の重要性を示している。
谷本課長は今後について「東南アジア地域も非常に訪日欲が高いので、さまざまな地域からお客様の取り込みというのを図っていきたい」と意欲を示した。
国際情勢も見極めながら戦略を見直すことが、今後も増加が見込まれるインバウンド観光客を鳥取県に呼び込むカギとなりそうだ。
(TSKさんいん中央テレビ)
