2月28日、名鉄百貨店が71年の歴史に幕を下ろしました。最終日は多くの買い物客が詰めかけ、セレモニーでは感謝の声が響きました。
■ 「ありがとう」「お疲れ様でした」最後の1日
最後の開店を前にできた長い行列。「71年分の感謝」と書かれた号外も配られました。
犬塚篤史本店長が「最後の最後まで、お客さま一人一人に感謝の言葉を添えて届けてください」と挨拶し、店はオープン。入る客には、1本ずつガーベラの花が手渡されました。

この日は本当の売り尽くしセール。1000円均一のマフラーなどを手に取る客で、売り場は大盛況でした。
客ら:
「(これで)1万円いかないぐらいかな。めちゃくちゃ安いです」
「名鉄で買ったという思い出をつくりたくて来ました」
メンズ館6階につくられたメッセージコーナーには、「ありがとう」「さみしい」など、4万枚を超えるカードに名鉄百貨店との思い出などが寄せられました。

3世代で来店した家族:
「この子が子供の時には、福袋を毎年買いに来ていました」
「なくなっちゃうのは寂しいなと」
本館の8階にあるのが、“世界で現存するのはこの2台だけ”という、手すりが垂直に落ちるレトロなエスカレーターです。名鉄百貨店の歴史を物語る名物も見納めとなりました。

男性:
「今日最後だから来たんですよ。このエスカレーターもすごく有名だし。(手すりが)下におりているんですよね」
そして、最後の閉店となる午後7時を迎え、セレモニーが開かれました。

石川仁志社長が「本日これをもちまして、名鉄百貨店本店、営業を終了します。また皆さんお会いしましょう。本当にありがとうございました」と挨拶すると、ゆっくりとシャッターが降りました。
買い物客からは 「ありがとう」「お疲れ様でした」といった声と、拍手が沸き起こりました。
■「無くなっちゃうんだ…」閉店後の寂しい雰囲気に
閉店から2日がたった、3月2日。名鉄百貨店の入り口には閉店を知らせる貼り紙が貼られ、ナナちゃん人形の前では、立ち止まって写真を撮る人もいました。

名鉄百貨店と同時に近鉄パッセも閉店したため、一気に寂しい雰囲気となった様子を、複雑な表情で写真に収める人の姿が見られました。
街の人ら:
「ちょうど名古屋駅にいたので、寄ってから行こうと。彼女との待ち合わせや買い物で使わせてもらっていたので、なくなっちゃうんだなという感じです」
「電車を降りていつものように行こうかなと思ったらシャッターが閉まっていて、ここも閉まっちゃったんだと思って、寂しいなって」
そもそもの閉店の理由だった名駅の再開発は、建設費用の高騰などで延期に。街の賑わいをどう維持するか、大きな課題が残されています。
■名鉄百貨店とその周辺の今後の営業はどうなる
2月28日に閉店したのは、名鉄百貨店の本館とメンズ館、その間に挟まれた近鉄パッセです。メンズ館南側のヤマダデンキも2月1日に閉店していて、およそ300メートルにわたるエリアの営業がなくなりました。

ナナちゃん人形は、再開発が始まるまでは今の場所に残ります。営業終了のはずだった名鉄バスセンターと名鉄グランドホテルは継続が決まっています。
名鉄百貨店1階のスギ薬局と、土産物を扱う名鉄商店は、3月7日から営業を再開します。宝くじ売り場も継続します。
さらに名鉄百貨店では、数カ月後を目指して、1階や地下1階など低層階部分を活用した営業ができるよう、これまでのテナントなどと調整をしているということです。
