「鼕行列」に「龍頭が滝」、「鬼の舌震」に「摩天崖」——。
字面も音の響きもちょっと“強め”な島根県内の名所や名物を集めたユニークなご当地グッズが、2月に誕生した。2年越しの夢が実現したキーホルダーは、早くも好調な売れ行きを見せている。
眠っていたプロジェクトが動き出す
松江市の中心街、通りに面したビルの窓際に並ぶのは「つよそうTシャツ」のパネル。島根県内19市町村のそれぞれにゆかりのある、字面や音の響きが「つよそう」な名物や名所が記されたTシャツ型のパネルだ。
手がけたのは、県内の市町村の情報発信などに取り組む島根県市町村総合事務組合の後藤希さん。「荒神谷遺跡」や「断魚渓」など、インパクトの強い地名や史跡名を活用した市町村PRを2024年夏に発案した。
しかし、当時は商品化してくれる企業が見つからず、Tシャツは実現しないまま…パネルが展示されるだけの状態が続いていた。あれから1年半、眠っていたプロジェクトがついに動き始めることになる。
観光土産品製造・販売会社との運命的な出会い
転機となったのは、観光みやげ品の製造・販売を手掛ける松江市の中浦食品と繋がったことだった。後藤さんが制作した「つよそうTシャツ」を見た中浦食品が、「キーホルダー」として商品化することを提案したのだ。
「中浦食品さんとイベントで出会う事がありまして、『つよそうTシャツ、商品化しちゃう?』みたいな話をできて、商品化してくれる方募集中と言っていたんですけど、無事にここまでやってきました」と後藤さんは振り返る。
『Tシャツ』ではないものの、『Tシャツ型のキーホルダ』ーとして「つよそう」な文字がしっかりあしらわれた、強そうだけど可愛らしいご当地グッズが誕生することになった。
海士町の新デザインも実現
商品化に際しては、新たなエピソードも生まれた。2年前の取材時に唯一デザインが完成していなかった海士町について、当時取材した記者が提案した「後鳥羽院遠島百首」が見事採用され、キーホルダーのラインナップに加わったのだ。
「夏にご紹介した『しまね19つよそうTシャツ』がキーホルダーになりました」と後藤さんが語る通り、19市町村すべてのキーホルダーが揃うことになった。
好調な売れ行き足掛かりに“野望”へ前進
2月19日からJR松江駅と出雲市駅にある土産物店で販売が開始されたキーホルダー。各市町村それぞれ100個限定、1個330円という手頃な価格設定も功を奏し、発売から1週間足らずで合わせて50個ほどを販売する好調な滑り出しを見せている。
中浦食品の河野淳一店長は「市町村の品物をどんと買っていかれる方もいらっしゃったり楽しんでいていただけると思うので、初動はいいなと思っています」と手応えを語る。
後藤さんの野望はさらに…「最終的にはTシャツキーホルダーがバズって、もしかしたら本物のTシャツも作ってもらえるのではないのかなと、こっそり期待している」と、当初の夢である「つよそうTシャツ」の実現への期待を隠さない。
この想いに対し、河野店長も「しっかりと販売して、Tシャツが作れるところまでいけたら良いなと思っています」と受けて立つ覚悟を示している。
キーホルダーは今後、県内の道の駅でも販売を計画している。インパクトの強いご当地グッズを通じた市町村の魅力発信という取り組みは、着実に歩を進めている。後藤さんの2年越しの夢「つよそうTシャツ」の実現も、決して夢物語ではないかもしれない。
(TSKさんいん中央テレビ)
