島根大学のキャンパスで「ワンコイン」、100円で買える格安の弁当の販売が始まった。コロナ禍、そして、物価高などの影響で経済的に苦しい学生に支援の手を差し伸べる。

通常500円の弁当を“100円”で

松江市の島根大学の松江キャンパス。

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ランチタイムに大学生協を訪れると、店内にはトンカツや唐揚げなど「ワンコイン」で買える格安100円弁当並んでいる。

“破格”のお弁当には、学生からも「えぇ!すごい!」と声が上がった。

物価高による支出の増加や、長引くコロナの影響でアルバイトの機会が減るなど、経済的に苦しい状況にある学生を支援しようと、島根大学と大学生協が、10日から販売を始めた。学生を支援する基金を使い、通常500円の弁当を100円で提供する。

学生:
きょうはこれ(100円弁当)を狙って来ました。ちょっとした値上げでも少しずつ響いてくるので、この時期に(支援が)あるのはうれしい

韓国からの留学生:
日本は食料が高いので、その点からも本当にありがたい

3種類の弁当が週替わりで販売され、宗教上の理由などで食材に配慮が必要な留学生などのためには「ハラルフード」を使ったカレーなども用意されている。販売初日は、わずか30分ほどで、用意した330個が完売した。

全学生が対象の経済的な支援は初

島根大学が学生を対象に実施した、生活実態に関するアンケートの結果では、コロナ禍以降、保護者からの仕送りの減少やアルバイト先の休業による収入減少など、学生たちが経済的に厳しい環境におかれていることが浮き彫りになっている。

特に、最近の物価高への対策として、「食費を切り詰めている」という回答が多かったといい、100円弁当には、学生たちに健康的な食生活を送ってほしいという思いも込められた。大学では、これまでにも、経済的に困窮した一部の学生に対する支援はあったが、全ての学生を対象とするのは、これが初めてだという。

島根大学・藤田達朗副学長:
この厳しい状況の中で、学生たちが笑顔になれるような支援を、寄付も募りながら、続けていく工夫をしたい

この100円弁当は、2月末まで、松江と出雲、それぞれのキャンパスで、数量限定で販売される。大学は、経済情勢や学生の状況に合わせて、こうした生活支援を続けていくことにしている。

(TSKさんいん中央テレビ)

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TSKさんいん中央テレビ
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