上半身裸の男性たちであふれかえる中国の列車。

蒸し暑い車両に閉じ込められ1人の乗客が手に取ったのはハンマーでした。

中国の地元メディアによると、7月2日の午後8時半ごろ中国東部の浙江省で上海鉄道局が運行する列車と別の列車が衝突する事故が発生。

この日の浙江省は最高気温38度。
ところが、車内の空調設備が停止してしまったといいます。

蒸し暑い車両に取り残された乗客たちは、「暑すぎて死にそうだ！」「水はありますか？もう我慢できないから顔を洗うわ」などと、あまりの暑さに我慢の限界を迎え乗務員に詰め寄ります。

女性客：
いつになったら電気が通るの？

乗務員：
修理は進んでいると思います。私に聞かれても私は何もできません。

男性客：
死んでしまうよ！

多くの乗客が換気を願う中、1人の男性が強い口調で「なんでドアを開けないんだ？列車内にいるだけで外に出るなんて言ってない。そうじゃなきゃ窓ガラスを割るぞ！」と反論し、乗客と乗務員の激しい攻防が始まりました。

1人の男性が乗務員の制止を振り切り窓に近づくと、ハンマーで列車の窓ガラスをたたき割ったのです。

乗務員：
やめて！窓をたたかないでください！

男性客：
ナイス！いいぞ！

乗客たち：
英雄！英雄！

換気を巡る攻防戦は激しさを増し、割れた窓に近づく人たちを遠ざけようと乗務員が立ちふさがります。

窓ガラスを割った男性はその後、警察に連行され注意を受けたといいます。

では日本の場合は同じような状況は起こり得るのでしょうか。

鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏：
（Q.日本でも同様に起きるのか？）空調装置というのは非常に電力を消費しますから、電源が途絶えてしまったら動かすことはできない。

そのうえで、日本では列車の停止が長時間に及べばすぐに避難誘導に移るとしています。