伊東市の市長の学歴詐称問題を調べる百条委員会が11日、開かれた。当初より前倒しでの開催となったが、そこには“ある理由”があるとみられている。

赤い車で登庁

11日朝、静岡・伊東市役所に赤い車で登庁してきたのは、学歴詐称問題の渦中にいる田久保眞紀市長だ。

赤い車に乗って登庁する田久保市長
赤い車に乗って登庁する田久保市長
この記事の画像(14枚)

百条委員会当日の心境を問われると、「議会の報告を待ちたいと思います」と語った。

11日が市議会で行われた「百条委員会」の初会合。

実際は東洋大学から除籍されていたにも関わらず、市の広報誌に「卒業」と記載された経緯などについて、市の職員に対する証人尋問が行われた。

伊東市秘書広報課課長:
(市議会)議員時代の資料などをもとに(履歴の)作成をしておりました。
(Q.大学卒業の記載は間違いなくあった?)私の記憶の中には卒業とは書いていなかったと思うんですが。
卒業証書を見せてくださいとお願いしていて、6月4日に見せていただいたので、最終的に卒業で問題ないだろうという形で(記載の)判断いたしました。

このとき、秘書広報課長と市長との間で、次のようなやり取りがあったという。

伊東市秘書広報課課長:
コピーを取らせていただくことは可能ですか?というご相談をしたんですが、「そこまでは要らないんじゃないか」ということで…。今までの市長にはそういうことを求めたことがなかったということで、まず、私が拝見しただけで確認とさせていただいた状況であります。

市長は表敬訪問の留学生と写真撮影も固い表情

その頃、11日は百条委員会に出席する予定がなかった田久保市長は、イタリアから来ている交換留学生の表敬訪問を受けていた。

留学生:
伊東市は小さい街なんですけど、人々がとても優しいです。

固い表情のまま留学生と写真撮影
固い表情のまま留学生と写真撮影

そこでは、「最後、笑顔でお願いします」と写真撮影でカメラマンに笑顔を求められたものの、本人は固い表情のままだった。

その後、百条委員会の初会合を終えた市議会の中島弘道議長らが市長に書面を手渡し、これまでに示してきた「卒業証書」を18日の午後4時までに提出するように求めた。

なお、市議会によると、田久保市長に手渡された書類には一部不備があったため、その後、差し替えられたという。

伊東市・田久保眞紀市長:
百条委員会で出したものについても、しっかりと受け止めまして、検討していきたい。

伊東市議会・中島弘道議長:
卒業証書が万が一偽物だという事が分かったら、確認するために市長に出席してもらうことはあるかと。

専門家「議会が先手打っている」

田久保市長が問題の「卒業証書」などを検察に提出するとの考えを示したのを受け、急遽11日に初会合が行われることになった百条委員会だが、議会側の意図について、専門家は次のように見ている。

法政大学大学院・白鳥浩教授:
検察にその(卒業証書などの)証拠書類が出されてしまいますと、議会など側で確認するというのが非常に手続き的に難しくなっていく可能性っていうのが十分考えられるわけですね。議会が今回、先手を打っていると。

次回の百条委員会について、中島議長は「卒業証書」の提出を受けてから日程を決めるとしている。
(「イット!」 7月11日放送より)