数多くのベストセラー小説で知られる作家、東野圭吾さん(享年68)の早すぎる死の一報を受け、日本国内だけでなく、特にアジア各国に衝撃が走りました。
韓国の各メディアは27日、「日本を代表するミステリー作家、東野圭吾氏が死去した」と速報しました。
韓国の3大日刊新聞の一つ、「中央日報」は『韓国が愛した推理小説の巨匠…東野圭吾、永遠にペンを置く』との見出しで、訃報を大きく報じました。
東野氏の作品について「推理小説作家と呼ばれていたが、その名自体が一つのジャンルだった」と、称賛しています。
韓国で東野圭吾氏は2009年から10年間、最も売れた海外作家で、特に2012年12月に翻訳出版された『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が10年連続でベストセラーにランクインしています。
東野氏の死去を受け、ソウル市内の書店には「追悼コーナー」が設けられ、ファンからは悲しみの声が聞かれました。
ソウル市内の書店を訪れたファンは「無念です。もうこれ以上新しい作品を見ることができないなんて新作を楽しみにしていました」「韓国にも大きな影響を与えた作家だから、残念です」と話します。
この書店では訃報を受け、東野圭吾氏の作品の売上げが、ほぼ2倍になったということです。
中国でも東野人気は絶大です。
中国メディアによりますと、東野さんの作品の累計発行部数は6000万部以上とも言われています。
訃報が伝えられると中国国内のSNS検索ランキングで「東野圭吾」が1位になったほどです。
国営の新華社通信やCCTV=中国中央テレビなどでも速報で伝えられました。
FNNが訪れた上海市内の書店には、日本人作家のコーナーが常設されていますが、中でも東野圭吾さんのコーナーが最も大きなスペースを占めていました。
東野作品のファンからは「本当に残念です。私は最初、ドラマや映画など映像化された作品を見て興味を持ち、大学の図書館で原作を借りて読みました。訃報を知って、昨夜は綾瀬はるかさん主演のドラマ版『白夜行』をもう一度見ました」「(東野さんの魅力は)事件そのものではなく、その事件の背後にある人間性の追究や、社会の仕組みへの考察です」との声が聞かれました。
タイでの東野人気の火付け役は、 バンコクの一角にある小さな出版社でした。
出版社「DAIFUKU」の編集長、アリーンさんは東京大学での留学中に読んだ「容疑者Xの献身」に衝撃を受け、日本文学の出版を志しました。
その後、東野さんの作品を数多く翻訳出版し、タイの読者に届けてきました。
手がけた東野作品はデビュー作『放課後』、『ガリレオ』シリーズの既刊全10冊を含む57冊。
実に東野作品全106冊の半数以上にあたります。
遺作となる最新作『永遠の記憶』もタイ語版を出版予定です(2027年2月ごろ)。
アリーン編集長:
タイにはない緻密なミステリーでした。文学と科学、心理描写がここまで融合した作品は他にありません。東野作品は私の人生を変えてくれた存在です。タイの読者も家族を失ったような気持ちでしょう。
東野さんが紡いだ物語は、国境や言葉を越え、世界中の読者の心に生き続けています。

