日銀は16日まで開いていた金融政策決定会合で、政策金利を現在の0.75%程度から1%程度に引き上げることを決めました。
利上げは2025年12月以来で、1%の金利水準は31年ぶりとなります。

日銀が発表した1%程度への利上げによって、私たちの生活はどのような変化があるのでしょうか。

そもそも、この「政策金利」とは何か。
日銀は、景気や物価安定のため市場の基準となる短期金利の目標値というものを設定しています。
それが、今お伝えしている「政策金利」と呼ばれるものです。

今回1%程度への引き上げということですが、この1%程度という水準は1995年以来31年ぶりの水準ということです。
コロナ禍以降続く追加の利上げですが、これにはどんな理由があるのかというと、物価のブレーキ役を担うことが期待されています。

では、どんなことが背景にあるのでしょうか。

それが、このところの物価高です。
世界に目を向けてみると、ウクライナ侵攻に加えて中東情勢の悪化などで物価の上昇がずっと続いています。
現在の物価の上昇が想定よりも早く進んでいくリスクがあるということから、今回、追加の利上げに踏み切ったということです。

榎並大二郎キャスター:
31年ぶりと聞くと大変なことが起きているのかなと思うわけですけれども、改めて何で利上げすると物価高を抑えられるのかという仕組みを丁寧にお願いします。

安宅晃樹キャスター:
改めて仕組みをお伝えしていきます。
まず政策金利が上がると、段階的に住宅ローンの金利も上がっていきます。すると、企業や個人がお金を借りにくくなり、世の中に出回っているお金も減っていくわけです。するとそこから、物やサービスの購買意欲が抑えられるわけです。結果的に物価が落ち着いていくというのが、利上げで物価が落ち着くという仕組みになります。一方で、購買意欲が下がると景気が冷え込むというリスクも指摘されています。

山崎夕貴キャスター:
デメリットもあるというわけなんですね。仕組みについては分かりましたけれども、利上げによって物価が落ち着いたなって本当に実感できるんですかね。スーパー行ったらちょっと安くなったなとか。

安宅晃樹キャスター:
いつごろからというのは後ほどお伝えしますが、まず恩恵を感じやすいのが銀行預金の金利です。
みずほ総合研究所の試算したデータによりますと、家計全体で見ていくと、プラス・マイナスの効果の差し引きで1世帯あたり年間平均でプラス2万円の恩恵があるといいます。
ただ、高齢世帯と現役世帯でちょっと差があるんです。
例えば、「定期預金の利子収入増」や「普通預金の利子収入増」などありますが、マイナス要素としては、住宅ローンの支払いの負担額というところで、若い世代の方が多いという状況があるわけです。
この差し引きが結果的にどうなるのかみてみると、40代以下の世代においては、この利上げが負担になってくるという試算があるわけです。

三宅正治キャスター:
僕64ですけども、恩恵を受けるところにいるんですけれども、でも、実感として負担が小さくなっていると思ったことは僕は1回もないですけどね。もう1個いうと、60代超えてもローンすごく少なくなってますけど、60を超えても住宅ローンの負担が大きい方は多いと思いますよ。

榎並大二郎キャスター:
そしてより若い世代のほうがローン残高も多いわけだから、それだけ金利が上がってしまうと影響を受けてしまうということですよね。

安宅晃樹キャスター:
そうなんです。あくまで全体を平均した数字なんですけれども、住宅ローンなどを抱える世帯に限定すると、年間で増える負担額は、29歳以下だと約4万1000円、30代は3万8000円、40代で2万1000円、50代になると5000円の負担増というところで、住宅ローンが残っている若年層が負担が大きい傾向だということです。

遠藤玲子キャスター:
現役世代にとっては、これからマイホームを買おうかなという人にとっては、また夢がちょっと遠のいてしまうような利上げになるわけですけど、すぐに利上げって住宅ローンに反映されるんですか?

安宅晃樹キャスター:
実際にいつごろから金利が上がっていくのかというところ。
変動型の住宅ローンの場合、日銀が16日に0.75%から1%程度に0.25%利上げを決めました。
ただ、大半の銀行では2026年の10月に基準金利というものが決まるわけなんです。
いろいろケースによって異なる部分はありますが、実際に返済額に反映されていくのは2027年の1月ごろからになるということです。

三宅正治キャスター:
若い人たちにも利上げの恩恵が感じられるような方法って何かないんですかね。

安宅晃樹キャスター:
物価高を抑制するという効果があるとお伝えしましたが、いつごろから実感できるのでしょうか。
第一ライフ資産運用経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣さんによりますと、「物価上昇のペースは変わらないため実感はしづらい」というんです。
ただそのうえで、値上げは続いていきますが、そのペースの幅が鈍化するイメージだということです。

榎並大二郎キャスター:
物価を下げるというよりは、物価が上がってしまうのを抑えるところがイメージとしてはあるんですね。

安宅晃樹キャスター:
今回の決定で日銀は経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整するとしています。
市場関係者の間からは「年内に追加の利上げを行うのでは」という観測も広がっています。