食べ終わったアイスキャンディーの棒を見ると、そこには「1本当り」の文字が!商品を買った店舗に“当たりスティック”を持って行くと、同じ商品と交換できる。
赤城乳業株式会社が1981年から発売している「ガリガリ君」シリーズ。ガリガリとした食感が特徴のカキ氷を入れたアイスキャンディーで、“当たり”がでた際に喜んだ経験はないだろうか。
その「ガリガリ君の当たり」について4月25日、赤城乳業が公式サイトと新聞広告で“ある報告”をした。

当たりつき やめるのを やめました
なんでも新型コロナウイルスの影響で、「食べた後のスティックを直接お店に持って行って交換することはどうなのか?」との衛生上の懸念から、発売当初から続けていた「当たりスティック」をやめてしまおうかという話し合いが2020年夏ごろからあったというのだ。
そして社内でたくさん検討した結果、22年春ごろには「ほとんどやめる」というところまで話は進んだ。

しかし、赤城乳業は「あそびましょ。」という企業メッセージを掲げており、ささやかなワクワクかもしれないが“当たりスティック”はガリガリ君の一部だと改めて考え直し、22年夏には「やめるのをやめたい」との思いに至ったのだそう。ここから最終的な議論を重ね、今回の発表となった。
当たりを続けていくためのお願い
そこで、当たりを続けていく決心をした赤城乳業は、続けていく上で、「当たりスティックの交換手順を守ってほしい」とお願いしている。
赤城乳業が説明している「交換手順」は以下の通りだ。

(1)当たりスティックはよく洗ってください。
(2)洗ったスティックをよく乾かしてください。
(3)乾かしたスティックを、ラップフィルムなどに包んでください。
(4)買ったお店で早めに交換してください。
新聞広告や公式サイトの最後には、手間を取らせてしまうことへの謝罪と店舗へのお願いに加え、「当たりスティックを、続けたいです」との訴えが書かれていた。
コロナ禍前にはなかった消費者からの声
多くの人に楽しんでもらいたい、ワクワクしてもらいたいという思いから生まれた“当たりスティック”。実際のところ消費者から「やめた方がいい」といった声が寄せられていたのだろうか?「やめることをやめた」ことへの反響も気になる。
赤城乳業・マーケティング部の岡本秀幸さんに話を伺った。
ーー「当たりスティックをやめる」とほぼ決まりかけていた時の心境は?
「なんとか続けられないか」という想いを持ち続けていました。

ーー実際、消費者からも「やめた方がいい」といった声はあった?
(具体的な件数は非開示とさせていただいておりますが)コロナ禍に入る前の2019年と比べて、2020年・2021年は今までにはなかったお客さまからのお声はございました。
ーーその声にどう感じていた?
お客さまからのご指摘を真摯に受け止め、それを受けてどうすべきか、社内で何度も議論を重ねておりました。

ーー「続けていく」と決心した際の思いを教えて。
お客さま、販売店舗担当者さま、皆さまのご協力があって続けていくことが出来るので、真摯に皆さまと向き合い、交換方法のお願いをしていこうと思いました。
「応援してくださるお声をいただいております」
ーー「当たりつきやめるのをやめました」と報告したのはなぜ?
今後も当たりスティックを続けていくために、まずは私たち企業側からお客さまへお願いをさせていただく形でメッセージを発信し、誠心誠意私たちの想いを伝えたいと考えた結果です。

ーー現在、どんな反響が届いている?
大変ありがたいことに、ガリガリ君を応援してくださるお声をいただいております。そういった反響に対し、ガリガリ君をご購入いただいているお客さまはもちろん、交換に応じてくださっている販売店舗担当者さまはじめ、支えてくださっている多くの方々に感謝しております。
ーー“当たりスティック”を続けるガリガリ君へ込めた思いとは?
お客さまや販売店舗担当者さまのご理解・ご協力のもと、これからも当たりスティックを通じて、お客さまにワクワク感や当たりが出た時の嬉しさを楽しんでもらいたいと思っています。
今後、テレビやラジオのCM、東京・大阪での屋外広告などを通じても、「当たりつきやめるのをやめました」を伝えていくという。
コロナ禍を乗り越えたガリガリ君シリーズの“当たりスティック”を、赤城乳業からお願いのあった「交換手順」をしっかり守りながら、楽しんでほしい。