夜の東京都内で相次いで発生した多額の金を強奪しようとする2つの事件。
その共通点に大きな注目が集まっています。
御徒町駅の近くでは4億2000万円ほどが奪われ、その2時間半後には、羽田空港の駐車場で1億9000万円の強盗未遂が発生。
多くの謎が浮かび上がる4億2000万円の強盗事件と1億9000万円の強盗未遂事件。
1つ目の事件が起きたのは、29日夜9時半ごろ、東京・台東区のJRの御徒町駅にも近い場所でした。
警視庁によると、被害に遭ったのは日本人と中国人からなる男女5人のグループで、5人はトランク部分が開いた車の近くにいました。
そして、そのトランクにはスーツケースが3個置かれ、中には4億2000万円の日本円が入っていたといいます。
すると、そこに犯行グループの男3人が現れ、うち1人が被害者に催涙スプレーのようなものを噴射。
残る2人がトランクからスーツケースを奪い、逃走したとみられています。
強盗事件が起きたあと、今度は事件現場から100メートルほどしか離れていない場所でひき逃げ事件が起きました。
ひき逃げは強盗の犯行グループが逃走中に起こしたものとみられます。
このひき逃げ事件の通報を受け駆け付けた警察官に強盗事件の被害者が被害を訴えたことで、4億2000万円の強奪が発覚したといいます。
犯行グループはその後、強盗現場から約500メートル離れた場所に車を乗り捨てていました。
その場所は一方通行の道路にもかかわらず、車は逆方向に頭を向けて止まっていたということです。
映像に映るのは、実際に乗り捨てられた長野ナンバーの車で、助手席側のサイドミラーが破損していることがわかります。
犯行グループはこの場所で白のワゴン車に乗り換え、逃走を続けたとみられています。
車が乗り捨てられた現場付近にいた人は、「いつも一方通行はこっちからこっちなんですけど、(反対の)左手から右手に行く車と見た」と話します。
また、29日夜の当時、「なんかガラガラというか、キャリーカートを引いているような音が結構大きめに聞こえた」と話します。
このキャリーカートを引くような音は、現金が入ったスーツケースを移動させる時の音だったのでしょうか。
この事件で浮かび上がる謎。
幹線道路の路上で、なぜ4億2000万円もの大金が奪われたのでしょうか。
被害に遭った5人グループのうちの一部は、警視庁に対し「現金を羽田空港まで運搬する予定だった」「現金は香港に運ばれる予定だった」という趣旨の話をしていました。
そのうえで、“自分たちは日本円を香港で香港ドルに替える仕事をしている”と説明しているといいます。
東京・台東区の事件から約2時間半後、直線距離で約18km離れた羽田空港の敷地内で、今度は1億9000万円の強盗未遂事件が発生したのです。
「屋外強盗。催涙スプレーをかけられた」と、通報したのは50代の日本人男性。
時刻は日付が変わった直後の30日午前0時10分ごろで、場所は国際線が発着する羽田空港第3ターミナルの立体駐車場の中でした。
立体駐車場で車の脇に立っていた被害男性の前に、4人が乗った別の白い車が接近。
犯行グループの車に乗っていた人物が「何しているの?」と被害男性に話しかけると、犯行グループのうち1人が被害男性に催涙スプレーのようなものを噴射。
そして、犯行グループの別の人物が、被害者の車の窓をハンマーのようなものでたたいたのだといいます。
被害者の車にはスーツケースがあり、その中には現金1億9000万円が入っていたといいますが、現金の被害はありませんでした。
この現金も、香港に運ばれる予定だったといいます。
また被害者は不動産業や両替商を営んでいて、30日に香港に向け渡航する予定で、実際に事件後、海外に出国したのだといいます。
台東区と羽田空港の2つの事件は、どちらも被害者が両替に関わる仕事をしていたという点。
そして、香港に運ばれる予定だった多額の現金を持っていたという点では共通しています。
元埼玉県警 捜査一課・佐々木成三さんは犯人像について、「被害者の情報と動線もよく知っていたと思う。この時間、この車に現金を積むと。こういった情報をつかんだ犯行だと思う」といい、台東区と羽田空港が同じ犯人の可能性について「僕は高いと思う。もしくは同一グループの可能性は高い」と話します。
そして、30日午後にさらに新たな情報がありました。
台東区と羽田の事件との関連は不明ですが、日本時間の30日午前11時前、香港の中心部で日本人の男性2人が2人組に襲われ、日本円の現金約5800万円が奪われたと香港メディアが伝えています。
そして、その後、容疑者は香港の空港で逮捕されたということです。
日本と香港で相次ぐ日本円の強盗。
そして、強盗未遂事件。
一刻も早い事態の解明が求められます。