今回の衆院選の争点の1つ、政治改革という事ですが、その中でも政治とカネ、そして議員定数の削減について、フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスクと見ていきます。
青井実キャスター:
議員定数削減が争点という事なんですね?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
政治とカネというのは2022年から2023年当時、裏金ともいわれた自民党の不記載議員の問題がありました。そこから2年余りたちまして、その間に衆議院選挙、参議院選挙と最大の有権者の争点だったんですね。ただし、そこから企業・団体献金を巡る法律というのは、なかなか整備もされていなくて、12月の臨時国会もあったんですが、そこでも結局結論が出なかった。なので、今回の選挙では各党が何を訴えていくのかが争点となるわけです。
宮司愛海キャスター:
それでは政治とカネについて、各党の公約を「透明性強化」「規制強化」「禁止・見直し」の3つに分け、整理して見ていきます。
まず、「透明性強化」を掲げているのが、自民党とチームみらいです。自民党は、企業・団体献金の禁止よりも公開という事で、透明性・公開性を一層強化するという事です。そしてチームみらいは、不透明な現金のやり取りをなくすためにキャッシュレス化を進めるとしています。
そして「規制強化」を掲げているのが、中道改革連合と国民民主党です。まず中道改革連合ですが、企業・団体献金を受け取れる組織を限定する事を掲げています。そして国民民主党は、それに加えて企業・団体が献金できる金額を規制する事を掲げています。そして両党とも、政治資金の流れをチェックする第三者機関の設置も盛り込んでいます。
そして「禁止・見直し」を掲げているのが、日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党の4つです。日本維新の会は企業、団体、組合等による献金は全面禁止を目指し、ネット献金を含めた個人献金を促進・見直しをしていく事を掲げています。そして日本共産党はパーティー券購入を含めて全面禁止。れいわ新選組は禁止を法制化。そして社会民主党は全面禁止を掲げています。
青井実キャスター:
こうやって見ていくと、皆さん何かを変えなきゃいけないという事で、いろいろ公約を出してきているわけですが、それぞれの違いを見ていきます。自民党とチームみらいは「透明性強化」と、この辺りは見える化という事なんでしょうか?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
そうですね。まず、企業・団体献金について考え方が違いまして、自民党は支持する政党に対して献金するって、これは民主主義を支えるひとつの仕組みであるので、必要だという立場なんですね。ただ、不記載問題などがあったので、今ここでは有権者に対してはこのお金を公開する、透明化する。これで不正をなくす事が大事だという事で、チームみらいも見える化を訴えているという事なんですね。
青井実キャスター:
中道改革連合、国民民主党ですが、「受け手規制の強化」を掲げていますが、これは何が違いますか?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
“受け手”というのは企業・団体献金を受けるところの組織の事ですね。自民党は国会でも、いろんなところに7000カ所も団体献金などを受ける組織があるというのが野党の指摘しているところで、多数のところにチェックもできない。野党からは、そういったところが不正の温床になっているとの主張がこれまでにあって、これを各党の政党本部、または都道府県の選挙区で持っている支部に限定して受け手を強化するという事と、金額も上限が多いのは自民党なんですが、制限しましょう、検証しましょうという事で規制を強化しようという立場なんです。
宮司愛海キャスター:
一方で日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党は「禁止・見直し」という事ですが、これはどういう事でしょうか?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
「透明性強化」を掲げる自民党の考えとして、政治献金が民主主義の基本というのがありましたが、「禁止・見直し」を掲げる各党は考え方が違いまして、やはり企業がお金を渡す事が政治をゆがめるという立場なので、禁止という事を強く言っていて、それを法制化しようという立場です。
青井実キャスター:
では、政治とカネを巡る問題を有権者はどのような判断をすればいいでしょうか?
SPキャスター・金子恵美さん:
最近、選挙で争点になっていると先ほどお話がありましたから、皆さんそれぞれ関心事だと思いますが、この選挙がどうなるか結果は分かりませんけど、与党としては連立を組んでいる日本維新の会が、禁止を含めて見直しといっていますし、かつて連立を組んでいた公明党も政治とカネの問題で離脱したという事も踏まえると、今回の選挙の結果を受けて、より国民に理解される議論と改革を進めていく必要があるでしょうね。
宮司愛海キャスター:
そんな中で今回の衆院選では、いわゆる不記載議員の動向も注目されているわけです。今回、自民党は不記載があった44人を公認候補にしています。これについて高市総裁は先日行われた討論会で問われまして、「みそぎが済んだと受け止めていない。二度と繰り返さない事が一番大事」だと発言をしていましたが、野党は反発をしているという状況があります。
青井実キャスター:
不記載議員を公認した。でも、まだ許されるべきではないという事ですね?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
そうですね。もう選挙が公示されて自民党が公認という判断をしましたので、まさに今回の選挙でも公認をした事も含めて、それはみそぎは済んだのか、つまり許すのか、許さないのか、という事を投票の際に判断する。ここも大きな要素になってくると思います。
宮司愛海キャスター:
このように政治とカネの規制強化がなかなか進まない中、もう1つ政治とカネの問題への対処として出てきたのが、議員定数の削減による身を切る改革です。各党、どんな立場なのでしょうか。
青井実キャスター:
今回の衆議院選挙は465議席を巡って争われるわけですが、議員定数削減について見ていきましょう。
宮司愛海キャスター:
まず、議員定数についてですが、「1割を目標に削減する」と公約に掲げているのが自民党と日本維新の会です。この定数削減というのは日本維新の会の看板政策でもあります。連立合意の時に入っていた事もありますが、身を切る改革の1つです。1割というとどれくらい減るのかといいますと、衆議院議員の定数が465人ですから45人の議員定数を減らすという案なんです。
そして、議員定数削減についてですが、その前にまずは「選挙制度の見直しが必要」だと主張しているのが、国民民主党、中道改革連合、参政党の3党です。まず、国民民主党ですが、多様な民意が反映できる選挙制度の見直しを掲げています。そして中道改革連合は、定数の在り方は民意を的確に反映する選挙制度改革とセットで議論すべきと掲げています。そして参政党は、選挙制度改革に合わせて最適な定数を再設定すると主張しています。
一方で、「削減に反対」しているのが、日本共産党、れいわ新撰組、社会民主党、日本保守党の4党という事ですが、日本共産党は民意を切り捨てる定数削減は許さない。そして、れいわ新撰組は、安易な定数削減は反対。社会民主党・日本保守党は定数削減に反対の立場を示しています。そして減税日本・ゆうこく連合、チームみらいは公約に記載がなかったという事です。
青井実キャスター:
各党、公約に載っているわけですが定数削減が必要だという事なんでしょうか?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
いろいろと立場が変わるところで、チームみらいの安野さんは公の立場では反対という立場だったり、減税日本・ゆうこく連合の原口さんも注目が今後されるところなんですけど、なぜ定数削減が必要なのかという事は、政治とカネのルールの法律を厳しくする事すら、2年もたってもできなかったので、国会は何をするかという事で、身を切る、自分たちの議席を減らす、そういった事をやろうというのは、総意では賛成なので、これが違うとなかなか進まないんですが、議員定数を減らそうという流れになっています。
青井実キャスター:
仮に、実現した場合の効果はどういった事が考えられますか?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
例えば自民党の掲げる1割削減などがありますが、45人削減すると、いろいろな議員歳費が年間2200万円とか、旧文書交通費とかもあるんですが、30億円分の歳費が減ると。もちろん議席数が減るという事で、議員が身を切る事を示す事ができるというのが効果としてあります。
青井実キャスター:
ただ、反対している多くの政党があったわけですが、なぜでしょう?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
選挙制度の見直しを訴えている政党なんですけども、小選挙区と比例で衆議院は構成されるんですが、小選挙区は大きな政党がとりやすい。比例は少数政党でもとれるので、今、政党が多く、民意がたくさんといろいろある中、この構成を考えないと民意はちゃんと受け取れないんじゃないかと。なのに、それをやる前に削減だというのはまず早いと、まずは選挙制度を変えましょうと。
さらに、反対の政党などは主に少数政党が多くて比例の割合が多いんですけども、まさに比例が減ると議席が減る。政党が減る事を言っているわけではなくて、いろんな民意を受ける窓口が減ってしまうという事を危惧して反対という意見なんですね。
青井実キャスター:
金子さん、政治改革についてみてきましたが議員定数削減についてどうみますか?
SPキャスター・金子恵美さん:
定数削減は昔からあった議論で、直近は確かに日本維新の会が提案をしたけど、各党が反対して進んでいないというところですが、単純に議員定数をどうするかという事だけではなくて、選挙制度の中での改革の議論において、定数削減という議論が入ってくるというのが、1つの見直しの考え方として私はあると思いますが、いずれにしても広く民意を拾えて時代に合った選挙制度とは何なのかという事は、不断に議論していかなくてはいけないものだと思います。