連立政権を組む自民党と日本維新の会が、各地の選挙区で対決する構図となっている今回の衆院選。

異例の選挙戦を候補者はどう戦っているのか。

維新の本拠地、大阪での選挙戦を取材しました。

■両党トップは公示日に並んで街頭演説も…86選挙区で「与党同士の議席争い」

【自民・高市早苗総裁】「自民党総裁の高市早苗でございます。今日は吉村代表、藤田代表、ご一緒に初めての街頭演説です。高市内閣の政策は前の内閣とがらっと変わりました」

【維新・吉村洋文代表】「日本を前に進めて行く、すごく大きなチャンスでもあるんです、みなさん。高市さんがこの国の政治を前へ進めていくその中で一緒になってアクセルになって日本を前へ進めていかないと、そう思いました」

公示日のきのう=27日、両党のトップが並んで街頭演説を行いましたが、公示前には...

【維新・吉村洋文代表】「選挙区調整やる必要はないと思っていますから、選挙を戦えばいいと思っています」(今月13日)

【自民党大阪府連 松川るい会長今月17日】「自民党大阪府連としては全選挙区に立てたいと思っています」(今月17日)

「自公連立」とは異なり、自民と維新は今回、選挙区調整を行わないため、全国86選挙区で与党同士が議席を奪い合うことに。

■前回は僅差で維新が制した大阪19区

大阪では、19ある選挙区全てで自民と維新が全面対決します。

なかでも接戦が見込まれるのが大阪19区。

日本維新の会・前職の伊東信久さん(62)と自民党・元職の谷川とむさん(49)の対決です。

前回はおよそ5000票の僅差で維新が制しました。

■自民・谷川さん「維新さんと連立組んでるの忘れてましたけど」

今月23日、解散の様子を神妙な面持ちで見守っていたのは自民党の谷川さん。

前回は「裏金議員」として比例代表の重複立候補も認められなかったため1年3カ月あまり、「落選議員生活」を送ってきました。

【自民・谷川とむさん】「いよいよ本格的に戦いが始まる。覚悟をもって戦っていきたいなという思いです。

総理の言葉を使うと『強く豊かにしていく』、それが一番の使命ですから、そこを高市さんに託したい、ほかの人にはやっぱり託せない」

落選以降、地元の支援者とのつながりを深めてきた谷川さん。再び国政に戻って地元へ恩返しがしたいと意気込みます。

この日は泉佐野市の漁港を訪れ、関係者に語り掛けました。

【自民・谷川とむさん】「みなさんのお役に立てるようにしっかりと頑張っていきたいというふうに思いますので、また何かありましたら、なんなりとおっしゃっていただきたいと思います」

総裁になるまえから高市総裁とのツーショットポスターを制作していた谷川さん。今回はじめて、高市さんに「自民党総裁」の肩書を入れることができました。

過去の総裁選では高市総理の推薦人も務め、総理との関係が深い谷川さんは、誰よりも高市政策を理解していると自負します。

【自民・谷川とむさん】「私も高市さんに近いって思っていただいてる方もたくさんいるので、そこは多分、少し追い風になってくるのではないかなと。

そう考えると雰囲気がらっと変わってきてるので、そのあたりは戦いやすいかな。気持ちよく選挙できるかなと思っています。

今一瞬ちょっと維新さんと連立組んでるの忘れてましたけど」

■維新・伊東さん「高市政権のアクセル役に」

一方、維新の伊東さん、現職として議場での解散を見届けました。

【維新・伊東信久さん】「いまは身が引き締まる思いですね」

解散の翌日には地元、泉佐野市で吉村代表との街頭演説にのぞみました。

【維新・吉村代表】「伊東さん、いま解散になったので衆議院議員の立場ではないけど国会議員で一生懸命頑張ってくれて後支えしてくれた」

【維新・伊東信久さん】「ミャクミャクを持っているみなさん、本当に万博楽しかったですね。私も何回も行きました。この万博の成功のこのタイミングで何とか副首都を!」

本拠地・大阪での党の実績と、新たな政権与党としての強みを押し出します。党の顔である吉村さんの存在も戦いに欠かせません。

「高市政権のアクセル役に」

これが今回の選挙のキーワードです。

【維新・伊東信久さん】「高市政権のこの枠組みを前に進めていこうと思えば、少なくとも大阪ではやっぱり維新選んでいただければと思うんです。だから非常にいい化学反応が起こってるかなと思うんです」

■「与党同士」アピールする実績や公約は「ほぼ同じ」

真っ向勝負とはいえ、与党同士ならではの難しさも…

公示日の前日には地元で共産党の北村みきさんも交え、3人で討論会が開かれました。

しかし与党の2人にとって、ガソリン暫定税率を廃止した実績や2年間の食品消費税0%などの公約はほぼ同じ。

お互いへの追及もどこかゆるく終わってしまいました。

【主催者】「(追及)あまいやん」

【維新・伊東信久さん】「いやだっていま与党同士だから。へたしたら一緒に働くかもしれん」

【自民・谷川とむさん】「あんまりだって、つついてもしゃあない」

与党同士での議席の奪い合い。候補者の心境は複雑です。

■高市総裁の応援予定は現時点でない...

では、有権者にはどのようにうつっているのでしょうか?

(Q.どの政党を応援する?)
【有権者】「維新ですね」
(Q.どこがいい?
【有権者】「子育てとか。吉村さん好きなんです」

【有権者】「自民党の中でも、石破さんのときはそれほどと思ってましたけど、今回、高市さんなられて考えには賛同できるなと思いました」

谷川さんと伊東さんの戦いでありながら有権者にとっては、高市総裁と吉村代表どちらを選ぶのかという側面もあるようです。

前回の衆院選では改革の実現などが支持され大阪の小選挙区で全勝した維新。

しかし、今回は所属議員が国民健康保険料の支払いを逃れる、いわゆる「国保逃れ」の問題や二度の住民投票で否決された「大阪都構想」を争点とする大阪府知事・市長の「ダブル選挙」が影響する可能性も…

さらに、70.8%と高い支持率の高市内閣も、維新にとっては脅威のようで…

【維新・藤田文武共同代表22日】「自民党側からも『維新の応援に高市さんは入らないでくれ』とかいう話もありました。逆もそうで、『僕らのいるところにも(高市総裁は自民の応援に)できる限り入らないでほしい』ということは選対同士で話している」

吉村代表の隣りで伊東さんが有権者に訴える一方で、高市総裁が谷川さんの応援演説に入る予定は今のところなく、今後の情勢が注目されます。

【大阪19区の候補者】(届け出順・敬称略)

自民・元:谷川 とむ
共産・新:北村 みき
参政・新:松岡 能礼
中道・新:小羽根 正代
維新・前:伊東 信久

(関西テレビ「newsランナー」2026年1月28日放送)

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