お好み焼きやたこ焼きなどのいわゆる「粉もん店」の倒産件数が、2025年に過去最多となった。
インバウンド需要は依然としてあるものの、食材費や光熱費、人件費の激しい高騰が経営を圧迫しているという。

物価・人件費上昇…倒産件数コロナ禍超す

北海道産など、こだわりの小麦粉に、名古屋コーチンの鶏ガラや昆布出汁を合わせた独自の生地をアツアツの鉄板で焼き上げる「お好み焼き」。

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外はサクッと、中はふわふわの食感にこだわって店主の渡邉哲さんが仕上げる東京・千代田区神田小川町の「お好み焼 ねぎ焼き 十々」。
この味を守るためには、さまざまな工夫があった。

14日午前9時半、店から約2km離れたスーパーから、渡邉さんが両手に買い物袋を下げて出てきた。

お好み焼 ねぎ焼き 十々・渡邉哲店長:
(買ったのは)野菜とかですね。ピーマンとかもやしとか。

さらに段ボール1箱分のキャベツを自転車に積み込む。

お好み焼 ねぎ焼き 十々・渡邉哲店長:
(店に)持って帰ります。これが一番大変なんですよ。人に頼むとお金かかっちゃうんでね。

自ら自転車で買い出しをするワケは経費の削減だ。

お好み焼きやたこ焼き店など、いわゆる「粉もん店」の2025年の倒産件数は28件。
コロナ禍だった2020年を超え、過去最多を更新したことが分かった。

東京商工リサーチによると、インバウンド需要が好調な一方、小麦や野菜などの食材や光熱費が高騰。
人件費の上昇も重なり、経営を圧迫したという。

粉もん店を直撃する物価高に、渡邉さんも危機感を覚えていた。

お好み焼 ねぎ焼き 十々・渡邉哲店長:
(食材費が)下がることがなくなりましたね。僕らが値上げしても、物価が上がって追いつかれてまた値上げとなってしまう。

欠かせない具材が軒並み高騰

薄暗い店内で開店前の仕込みをするのも、経費削減策の1つ。

厨房だけ電気をつけての仕込み
厨房だけ電気をつけての仕込み

店の空調も切ったままだという。
そして、仕込みの手伝いは渡邉さんの母親が行っていた。
これも人件費を節約するための工夫だという。

お好み焼 ねぎ焼き 十々・渡邉哲店長:
(物価高の)実感はもうひしひしと…飲食店は結構厳しいなと肌で感じています。

人気メニューの「えびブタ玉」の材料を総務省統計局のデータで見てみると、小麦粉6.7%、卵7.7%など、欠かせない具材の数々が軒並み高騰していた。

常連客は、「お好み焼き屋さんが減ってしまうのは、生活の一部が失われてしまうという感覚」と、なんとか店を守ってほしいと話す。

にぎわうランチ営業を終えると、渡邉さんは再び自転車に乗り、2駅分離れた安い青果店まで夜営業に向けた買い出しに出た。

お好み焼 ねぎ焼き 十々・渡邉哲店長:
安いわ、これ!(ネギが)138円。

激安の野菜を発見し、テンションも上がったが、物価が少しでも下がってくれればというのが本音だ。

お好み焼 ねぎ焼き 十々・渡邉哲店長:
こういう努力は本当は見せない方がよくて、何食わぬ顔して「大丈夫ですよ、楽勝ですよ」みたいな感じで本当はやりたいです。
(「イット!」1月14日放送より)

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