衆院選を見据え、各党が準備を進める中、突如浮上したのが大阪府知事と市長の辞職による“出直しダブル選挙”。一体、どのような思惑があるのでしょうか。
橋下徹氏が今回の選挙について「ここじゃない」と独自の見解を示しつつ、維新内部では「しゃあない」という声が上がっていることを明かしました。
高市政権の衆院解散が濃厚な情勢の中、なぜ大阪維新の会は今このタイミングで出直し選挙に打って出るのか。
その背景には都構想をめぐる吉村知事の過去の発言と維新内部の戦略が絡んでいます。
■「維新内部は『しゃあない』となってます」
“維新創設者”の橋下徹氏は、「コメンテーター的には僕はここじゃない」と語った一方で「ただ維新内部は『しゃあない』となってます」と維新内部の動きを明かしました。
橋下氏は吉村知事の過去の発言が今回のダブル選挙の背景にあると指摘します。
「吉村さん、2022年に『僕はやらない』と言ってしまったのはちょっと失敗だったんですよ」と説明。
都構想について3回目の挑戦はしないと明言していた吉村知事が、方針を変更するための選挙だという分析を示しました。
「今回のダブル選挙は、吉村さんの2022年、『僕はやらない』ということを、ある意味方針転換をするためだけの選挙です」と橋下氏。
現在の府議会・市議会では維新が過半数を持っており、「やろうと思ったら住民投票できる」状況だと説明しました。
■「言を翻してもいいんじゃないの?」と思うと橋下氏「吉村さんの性格ではダメだと」
橋下氏は吉村知事の対応について「僕は政治家、言を翻してもいいんじゃないの?」と持論を展開。
「人間なんだから、これぐらい言っちゃったと。口走って言っちゃったけども、よくよく考えたら知事をやって万博も進めてきた結果、やっぱり都構想必要だと思ったから、『2022年にはやらないと言ったけどもやらさせてください』」と頭を下げれば済む話ではないかと提案しました。
しかし「吉村さんの性格からすればそれはダメだということで1回、民意を問う」という選択になったと分析。一方で「僕は吉村さんの言を翻すためだけにダブル選挙必要なのかな」と疑問も投げかけました。
■維新の真の戦略のシナリオは
関西テレビの江口解説デスクは維新の真の戦略について「こんなシナリオを描いてるのでは」と解説しました。
まず来月のダブル選で吉村知事と横山市長がそれぞれ出直し選挙に当選した後、1年間かけて都構想の協定書を作成。そして来年4月の統一地方選挙に合わせて住民投票を実施するというものです。
【関西テレビ 江口茂解説デスク】「来年の4月の選挙に合わせて住民投票ができる。一緒にやれば可決の可能性が高まる」
このスケジュール案に対して橋下氏は「吉村さんが住民投票を本気でやるんだったらクロス選しますよ。(都構想をするなら)市長になって旗振らなきゃいけない」と指摘。
知事と市長を入れ替えるクロス選挙にせずに、出直し選挙を選んだことから「2027年の4月で一区切り。この時には吉村さんは出馬しない」という見方を示しました。
【橋下徹氏】「(2027年に)吉村さん出馬しないと、吉村さんが抜けた形で吉村さんと別の顔のダブル選になって、果たして勝てるかどうか分からない。年内に住民投票をやるべきだという意見もまだ維新の内部にはあります」
「住民投票また否決されたらどうすんですか?」と質問には、「吉村さん辞めるでしょ」と橋下氏は答え、大阪都構想の実現については「東京も50年かかってます」と長期的な視点での取り組みが必要だと強調しました。
■都構想は維新の「1丁目1番地」なのか
また、維新の政策の優先順位についても議論が交わされました。
橋下氏が「維新の1丁目1番地は都構想」と発言したのに対し、安藤氏は「1丁目1番地は議員定数だったはず」と指摘。
【ジャーナリスト安藤優子さん】「維新の1丁目1番地は都構想とおっしゃったけど、ついこの間まで議員定数の削減が1丁目1番地だったはずなんですよ。そんなにコロコロ1丁目1番地が変わったならば、信を問うって違うのでは?」
「独自取材で聞いた」という橋下氏はこう続けます。
’【橋下徹氏】「(議員定数削減は)1丁目1番地『5号』で、『いよいよ本番』が1丁目1番地『1号』の都構想」
これに対して安藤氏は「詭弁ですね」と指摘し、「そうだと思います」と橋下氏が認める場面も。
■「夏前にダブル選をする予定だった」と橋下氏
橋下氏によると、維新はもともと別のタイミングでダブル選挙を実施する予定だったといいます。
【橋下徹氏】「解散総選挙にぶつけるにしても、もっと後を想定していた。維新は、高市政権と連立を組んで副首都法案を出すと。これが今年の6月に通常国会、法案が出るのが6月には成立する段階でダブル選挙をやる予定だったらしいんです」
当初は「夏前にダブル選をやって、方針を変えて、法定協議会を開いて、最後住民投票を早ければ年内。無理であれば、来年の統一地方選にぶつける」という計画だったと明かしました。
橋下氏は「それが早まった。どうせダブル選挙をやるんだったら、この解散総選挙で後の政治状況は分からない。もしかするとダブル選挙もう6月、7月にできないような状況になっているかも分からない。どうせでやるんだったら、今やろうってことで維新内部は一致団結した」と説明しました。
吉村知事・横山市長の判断はどうなるのか。今後も注目の政治情勢が続きます。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年1月14日放送)