仙台育英高校サッカー部のいじめ問題をめぐり、学校が保護者説明会を開き、調査結果を公表しました。
学校は、いじめが起きやすい環境や背景は確認できた一方で、いつ、誰が、どのいじめを行ったかを特定できなかったと説明しました。

仙台育英高校は2025年12月、サッカー部の保護者を対象にした説明会を開き、いじめの調査結果を初めて公表しました。

出席した複数の保護者によりますと、学校は説明会の中で、遅刻などに対して丸刈りを強要する慣習や暴言について、おおむね事実であることが確認できたと説明したということです。

学校は、厳しい規律や上下関係など、長年続いてきた文化や体制によって、部内全体でいじめが生まれやすい「構造的いじめ」があったと結論付けています。

一方で、「複数の生徒が明らかな悪意をもって、特定の生徒を標的にしたとまでは断定できない」「いじめを行ったとされる生徒や、具体的な時期は特定できなかった」としています。

説明会では、2024年5月、生徒が2年生だった時に、いじめの訴えを初めて学校が認知した際の対応についても、保護者から質問が相次ぎました。
学校によりますと、生徒の要望を受け、当時、いじめの調査には踏み込まず、クラス替えなどによる「保護を継続した」ということです。

副校長は、「サッカー部と情報共有を密にできていれば、3年生の時に重大事態に至らなかったかもしれない。忸怩たる思いです」と、保護者に説明したということです。

仙台育英高校サッカー部は、2025年11月、全国高校サッカー選手権の県大会で優勝しましたが、全国大会への出場を辞退し、監督と部長が「一身上の都合」で辞任しました。

いじめを訴えていた生徒は、2025年10月、自殺を図ろうとしたところを警察に発見され、学校がその後、「いじめ重大事態」として調査を始めました。

今回の調査結果について、いじめの被害を訴えているサッカー部3年生の生徒本人は、仙台放送の取材に対し、「学校から十分な説明はまだ受けていない」と話しています。

いじめ防止対策推進法では、今後、学校は県に最終報告書を提出し、その内容や、被害を訴える生徒の意見などをふまえて、知事が再調査を指示するかどうか判断することになっています。

生徒本人は、「調査結果に納得できなければ、再調査を求めることも考えている」と話しています。

一方、保護者説明会では、学校側が、2年生の時点での対応について、サッカー部との情報共有が十分でなかった可能性について触れ、初動対応の一部に課題があったことを認める発言もありました。

複数の保護者からは、これまでの学校の発表では、顧問団や生徒側の責任が強調され、学校としての責任の所在が分かりにくいとして、より丁寧な説明を求める声が上がっています。

全国大会を辞退した仙台育英高校サッカー部の3年生は、2025年12月、引退試合を行いました。
全国大会の出場辞退という判断についても、いじめが具体的に特定できなかった中で、決定の経緯や判断基準を含めて、透明性のある説明を求める意見が出ているということです。

仙台放送は学校側に取材を続けていますが、現時点で回答は得られていません。

仙台放送
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