アメリカによるベネズエラのマドゥロ大統領拘束。高市総理の外交手腕が試されるとともに、“台湾有事”への影響も懸念されています。
今後の情勢について、政治ジャーナリストの青山和弘さんが関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で解説。青山さんは今回の事態が「中国に台湾侵攻への根拠を与えてしまう可能性がある」と警告しました。
■「中国の台湾有事があったとしても批判はできなくなった」専門家
今回のベネズエラ情勢が“台湾有事”にどう影響を与えるのか。番組では専門家の見解を紹介しました。
アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授は「ロシアのウクライナ侵攻についてアメリカも今後は同じことをしていると言われる立場になった。中国の台湾有事があったとしても批判はできなくなった」と指摘。
また、米中関係に詳しいジャーナリストの峯村健司さんも「トップの首をすげかえる“斬首作戦”は中国が台湾統一に向けて考えている手法の一つ。今回アメリカが決行したことで台湾への”斬首作戦”に正当性を与えてしまった」と懸念を示しました。
■「アジアの安全保障がアメリカの国益」高市総理がトランプ大統領と「握れる」か
青山さんはこの専門家2人と同様の認識を示した上で、日本にとっての、アメリカとの関係性の”難しさ”を指摘しました。
【青山和弘さん】「アメリカを批判することによって、『アメリカも日本の味方をしてくれない。台湾有事の際も中国に配慮して来援しない』となると、今度は中国が台湾を、武力なり、何らかの形で統一することがやりやすくなる可能性もあります」
そして日本にとって今後の焦点は「高市総理が”アジアの安全保障がアメリカの国益でもある”ということをいかにトランプ大統領と握っていけるか」だと述べました。
【青山和弘さん】「高市さんとしては、アメリカの行動に対して正論を振りかざすのではなくて、日本の国益を考えた場合に味方にしておくべきだと考えると、今アメリカの批判をしないという出方になっているのだと思います」
■「中国に“台湾侵攻”への根拠を与えてしまう可能性」
ベネズエラと台湾では政治体制や状況も異なりますが、今回のアメリカの対応が中国にとっての“台湾有事の正当化”に繋がるのでしょうか。
青山さんは今回の事態が「中国に“台湾侵攻”への根拠を与えてしまう可能性がある」と警告します。
【青山和弘さん】「ベネズエラが主権国家である一方、国連でも台湾は中国の一部と認められている。中国にとっては内政問題なわけで、台湾を統一するほうが、ある意味正当性があるともいえるわけですね。
一方で台湾は独自の政府もあり、統一に抵抗する姿勢を見せていますが、アメリカが一国の判断で、力によって主権を踏みにじる行動を取るのであれば、中国はより(侵攻を)やりやすいという論理が成立するのではないでしょうか。
一方で、台湾の今の産業の発展状況、例えば半導体工場が多いとか、民主的な選挙が行われているとか、(ベネズエラとは)違う側面でもあります。しかし、理屈は何とでもつけられるので、中国やロシアに武力行使の根拠を与えてしまう可能性があるということは私は言えると思います」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」 2026年1月6日放送)