札幌の北海道立校で、受験生を障がいの程度によって事前に排除するような方針案を教諭が作成し、共有していたことがUHBの取材で明らかになった。
障がいのある中学生が進学する際、高校と特別支援学校のどちらを志望するかなど、進路は本人と保護者が相談して決める。
障がいを理由に差別されることはない。
しかし―。
「すみ分け」方針案が発覚
「特別支援学校と本校の『すみ分け』を入学希望者がいる中学校に明示する」
札幌にある北海道立の定時制高校で特別支援教育の担当教諭が作成し、2023年の職員会議で共有した資料だ。

検討中、とされる障がいのある受験生への説明を見ると、受験生の所属中学校に特別支援学校との「すみ分け」を明示すると書かれている。
さらに、
「本校の通級指導受け入れ能力の提示」
入学後に、障がいに応じて行う特別な指導について、高校の受け入れ能力をあらかじめ提示するとしている。

「受験を思いとどまらせることにつながる」
「受験を思いとどまってもらいたいっていうそういう含意を含んだ表現」(東京大学 小国喜弘教授)
東京大学の小国喜弘教授は、書かれていた方針は、障がいのある中学生に受験を思いとどまらせることにつながると批判する。
さらに問題と指摘するのは次の部分だ。

「本校は軽度障碍者と共存」「通常の学習を希望する生徒が学習上不利益にならないよう、高校の通常の授業が行われていることを提示」
「暗に重度障がい者とは共存しないということを含意してしまっているところが、決定的に障がい者差別にあたる表現になっている。支援を必要としない子どもに不利にならないようにというのは、(障がいのある生徒が)学習環境上障がいになりえる、もしくは子供たちにとって不利になる邪魔な存在だという意味を持った表現になっているところに大きな問題がある」(小国教授)

当事者家族は「悲しみと怒り」
「とにかく悲しいなっていう思いと怒りを感じてしまう」
旭川市の平田永さん。
息子の和毅さんは重度の知的障がいと自閉症がある。

和毅さんは、中学校を普通学級で過ごし、2023年市内の定時制高校を卒業。
今も学校で出会った友人との交流が続いている。
「共に生きること。和毅も含めて周りの子たちもその能力を身に着けていく。これも学校の大きな役割の一つだなっていうふうに感じているところです。障がいの程度で受け入れられる受け入れられないっていうことっていうのが本人や保護者の諦めや権利の剥奪感につながっていく」(平田さん)
北海道教育委員会は、高校が実際にこうした説明を行ったことはないとしつつ、資料がどのように扱われていたのか確認することにしている。
