福岡市で男女2人が刃物で刺される事件が発生してから1週間がたちました。
アイドルグループ「HKT48」のファンの間でも衝撃が広がっています。
◆HKT48のファン
「劇場が好きな人は、劇場を壊すようなことはしないものと思っていた。(山口容疑者は)劇場で隣になったこともある。例えば『投げキッスして』とか『ハート作って』とか、そういううちわは持っていました」
こう語るのはHKT48のファン。
殺人未遂の疑いで逮捕された福岡県糸島市の無職、山口直也容疑者(30)は、頻繁にライブに通うなどファンの間では知られた存在でした。
12月14日の日曜日、福岡市中央区地行浜で発生した男女刺傷事件。
山口容疑者は、包丁や催涙スプレーなどを持ってみずほPayPayドームに現れ、“出待ち行為”を注意した「HKT48劇場」の男性スタッフを刺したと疑いが持たれています。
《山口容疑者のX(2023年12月28日)より》
「今シーズン、HKT48劇場37回行きました!」
“推し活”で生活が困窮していたという山口容疑者。
捜査関係者によりますと、事件を起こした動機について山口容疑者は、「HKTのメンバーを道連れにして自分も死のうと思った」「メンバーを複数人殺そうと思った」「警備が手薄な現場を狙った」などの趣旨の供述をしているということです。
この事件を受けて、HKT48のファンたちに大きな衝撃と落胆が広がっています。
◆HKT48のファン
「そもそもこういうのは、娯楽・道楽でありまして、そういうのを逸脱してはいけないんだって改めて思った」
県内に住むHKT48のファンの男性(50代)です。
多い時は、「月に10回ほど劇場に足を運んでいた」といいます。
◆HKT48のファン
「笑い、泣き、喜び、そういうのを見て共感できて、現場で『楽しかったなあ』と。それで、あすへの活力がもらえる」
しかしこの事件以降、HKT48劇場は握手会などのイベントを中止し、男性が楽しみにしているクリスマスイベントも控えていますが、開催されるかどうかまだ分かっていません。
◆HKT48のファン
「今のところ22日まで中止になることだけは聞いている。クリスマスの公演があるが、何もアナウンスがない。『やるのかな?』という気はしている。やるんだったら、ついていきます。やれない状態だったら待ちます。これくらいしかないですね。ファンもいろいろ悩んだり、傷ついたり、もちろんメンバー運営の方も悩まされていると思います」
ドームの隣の商業施設でも直後に、男性アイドルグループのライブ帰りの27歳の女性が背中を刺される事件が起きています。
立て続けに起きた刺傷事件。
22日開かれた定例会見で福岡市の高島市長は…。
◆福岡市 高島市長
「ニュースを聞いて『本当に怖いな』と思った。『こういう形の犯罪はどうしたら防げるのか』と想像した時に、市民に、『こう気を付けてください』という言い方がなかなか見つからない」
警察は、女性への殺人未遂容疑も視野に調べを進めています。