大きな柿の木に浮かぶ黒い影。
年の瀬が迫った18日、本来なら冬眠しているクマが福島県の人里に出没。
その姿をFNNのカメラが捉えました。
福島県の北西部に位置する北塩原村。
18日午前8時ごろ、通行人が住宅の敷地内にある柿の木に登る体長0.5メートルほどのクマを目撃しました。
本来であれば冬眠の時期を迎えている“年の瀬のクマ”。
しかし、カメラに映っていたのは柿をむさぼり活発に動き回る姿です。
途中、自らの体を支えるには細い木の枝の上でバランスを崩しそうになったり、顔をブルブルと左右に震わせる様子も。
ただ、たくさんの柿の実がなったこの木を離れようとする様子はなく、枝の上を行ったり来たりしながら実った柿を次々とむさぼっていました。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:
(Q.この時期の出没は珍しい?)珍しいと思います。本来であれば冬眠に入ってもいいのですが…。
基本的には冬眠している時期のため、年の瀬にクマが出没することは珍しいと指摘します。
一方で、山内氏は今回のクマが体長50cmほどの子グマであることに注目。
「おそらく何らかの理由で親からはぐれてしまって、1匹残された状態で、ただおなかもすいているということで柿の実を食べる。今年生まれの個体であれば、おそらく冬眠の仕方がわからない。(だから)今出没しているのではないか」と推測します。
さらに、「今年というか来年の頭にかけても警戒した方がいいかなと思います」と話しました。
クマによる人的な被害はなく、柿の木は直ちに伐採されました。
福島県は、2026年1月15日までツキノワグマ出没警報を延長し警戒を呼びかけています。