サステナブルなクリスマスで、循環の輪を大きく力強く回します。
東京・港区で開催中の「麻布台ヒルズ クリスマスマーケット2025」。
暖かな光に包まれた会場では、カラフルなドーナツやたっぷりのチーズをとろりとかけたソーセージなどのグルメの他に、本場ドイツの専門店をはじめとするクリスマス雑貨も盛りだくさん。
にぎやかな広場をあとにしてビルの4階にある書店に行くと、レジの前にはクリスマスカラーのバッグが並んでいます
実はこの赤いバッグ“グリーン”なんです。
書店に置かれた赤いバッグの2024年の姿は、麻布台だけでなく六本木や虎ノ門など、5つのヒルズのクリスマスを彩った広告宣伝用のバナーフラッグです。
森ビル タウンマネジメント事業部・徐桑安さん:
今までバナーフラッグを適切に処理・廃棄していたんですけれども、何かバナーフラッグを活用して資源循環の活動ができないかということを社内でも以前から話していて、その取り組みが今回形になった。
グリーン&ウェルネスをコンセプトとし、環境負荷の抑制を掲げる麻布台ヒルズ。
回収された117枚のバナーフラッグを活用できないかと考えていたところ、アーティストの石川大輔さんがバッグにアップサイクルするアイデアを持ちかけました。
石川さんは「純粋に素材として屋外に飾るものなので水に強いというのが一つ。あとはバナーにもよるんですけど軽かったりとか、耐久性ももちろんありますし、素材としてはそういう機能があります」と、素材としてのバナーフラッグの魅力を語ります。
以前関わった商店街のイベントの終了後、使用済みのものを再利用したのをきっかけに、2011年からバナーフラッグのアップサイクルに特化した活動をしています。
今回、ヒルズのものでバッグを作ろうと思った理由は、「たまたま六本木のけやき坂を歩いていた時に、妻がそのバナーをパッと見た瞬間に『あのバナーがすごくすてきだね』って言って」というシンプルな理由でした。
約60種類というバナーフラッグのデザインを生かすように作るため、同じデザインのバッグは一つもありません。
蝉 semi・石川大輔さん:
切り取る場所によっても意図しない仕上がりになるとか、いわゆる既製品とは違う面白さがある。
廃棄されるはずだったバナーフラッグに、新たな価値を加えたアップサイクルバッグ。
麻布台ヒルズの「大垣書店 麻布ヒルズ店」の他、六本木ヒルズの「森美術館ショップ」や石川さんのブランド「蝉 semi」のオンラインショップなどで購入できます。