「皆さん、今年も1年お疲れさまです」。
そんな声が、あちこちから聞こえてきそうな今日この頃。
にぎやかに酒を酌み交わす人もいれば、顔を突き合わせ静かに語り合うグループも。
そう、ただいま忘年会シーズンの真っただ中です。
1年の苦労を忘れるだけでなく来たる年に向け親睦も深める一面も持ち、日本の文化に長く根付いてきたこの忘年会。
コロナ禍で宴会や会食などが制限された時期を乗り越えた、2025年現在の忘年会のリアルを「イット!」が取材しました。
街の人に今年忘年会に何回参加するのか聞くと「(今月)金曜日は全部埋まってて、今週は週3くらい」「今年だと5回から6回ぐらい」といった声が聞かれました。
そして去年と今年で忘年会の回数の増減についても聞くと、多くの人が「回数が増える見込み」だと回答しました。
ホットペッパーグルメ外食総研による調査でも、今年度の忘・新年会の参加回数が「増えそう」と答えた人が「減りそう」を上回る結果に。
特に、男女とも20代でその傾向が顕著に表れていたといいます。
ホットペッパーグルメ外食総研・稲垣昌宏さん:
今の20代の方々は、ちょっと前までコロナでみんなで会えなかった時代が多分長かった世代だと思うので、若くてキラキラしてる時代がみんなと遊べなかった。それに対して今、それを取り戻そうとする(のでは)。
実際、16日に話を聞いた20代の人からも「比較すると増えてる。リモートワークの働き方がオッケーだったんですけど、それが出社にずれてきてるからとかですかね」といった答えが返ってきました。
次に忘年会の想定予算について。
今年初めてある金額の壁を突破したのだと、調査に当たった担当者は語ります。
ホットペッパーグルメ外食総研・稲垣昌宏さん:
予想(単価)が5004円ということで、この調査開始以来初めて5000円を超えた。(理由は)節約志向が高まる中で、せっかく外食するなら少しいいものを食べようっていう。
港区で46年続くという居酒屋の店長は“単価が上がった”ことに加え、今年の忘年会は“大人数の予約が多い”といいます。
駒八 別館・伊藤千代美店長:
団体の本当に30名以上の予約いただけてるお客さまが多いですね。(Q.今週の金曜日は50人の予約?)そうそう。
これもコロナ禍が、完全に終わったことの表れではないかとお店の人は語ります。
駒八 別館・伊藤千代美店長:
ほとんど会社員の方が大人数で見えてるので、小さな単位から大人数で集まれるようになった。会社も認めてきたっていう感じじゃないですか。
そんな今年の忘年会で特に選ばれるメニューが「鍋」なんだとか。
「同じ会社なんですよ。やっぱね1年のあかを落とさないといけないんで、1年の苦労したこととか楽しかったとか、みんなで話し合おうと」と語るグループのテーブルにもしっかり鍋はスタンバイされていました。
1年をともにしたみんなで囲む鍋。
こんな光景が今週、来週の週末をピークに日本各地で見られそうです。