東京・赤坂の個室サウナで利用客の夫婦が死亡した火事について、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんとみていきます。
今回の火災で、美容室経営の松田政也さん(36)と妻の陽子さん(37)が亡くなりました。
火災が発生した可能性は、サウナストーンにタオルが何らかの理由で触れたことが原因なのではないかとみられています。
そして、店内の別の部屋のドアノブを動かしたところ、少しがたついて不安定な状態だったということです。
サウナ室内の非常ボタンが押された際、フロントに知らせる受信盤の電源が切れていたとみられることも新たに分かっています。
青井実キャスター:
16日から引き続いて新たに分かってきたことが出てきているわけですが、タオルが触れたことで火災になったという可能性だったり、非常ボタンの電源が切れていたという状況をどうみますか?
元埼玉県警捜査一課警部補・佐々木成三氏:
サウナというのは高温であって密閉が高いところです。その中で一酸化炭素中毒とか火災の予見をしなければいけない中で、予見されたリスクをどう回避しなければいけないのかということを構造上も点検しなくてはいけない場所なんですよね。
こういった非常ボタンを個室サウナ店ではどのように管理をしているのでしょうか。
今回の火災とは関係のない神奈川・川崎市にある個室サウナ店「ロウリューランド 川崎」を取材しましたが、こちらのお店では、非常ボタンの電源はイメージでいうと“自宅のブレーカー”のようなもの、普通に考えて消えているということは考えにくいと話しています。
理由については、何らかの理由で電源を切った時に戻し忘れたのではないかと指摘していました。
宮司愛海キャスター:
受信盤が故障していた、故意に切っていたなどいろいろ考えられますが、施設側の責任というのはどう考えればいいでしょうか。
元埼玉県警捜査一課警部補・佐々木成三氏:
こういった危険を予測する中で、危険リスクを回避するための非常通報ボタンは大きな役割があると思うんです。これが切られているというのは通常考えられないと思います。その中で、これが通常作動するのかということも毎回点検しなくてはいけないものではないかと感じています。
SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
しっかり捜査して捜査結果も開示してほしいんですけど、サウナというのは普段、普通に使っていても体調が悪くなる可能性もある場所でもあって、他の店よりもリスクが高いと思うんです。その分だけ安全基準が高くなきゃいけないです。過失があったならば、話はちょっと違うかもしれませんが、設備とか点検をしっかり守っているのにこうなったならば、それは基準・規制をより厳しくしなきゃいけないと思うんです。それは、やっぱり当局も考え直してもいいかもしれないです。
青井実キャスター:
そういった意味では、サウナである特殊性みたいなところもあるんでしょうか。
元埼玉県警捜査一課警部補・佐々木成三氏:
そのとおりですね。実際に捜査一課が入っているということは、業務上過失致死の捜査をしているということになります。実際、このお店側はこういった一酸化炭素中毒や火災の予見はある中で、それを回避するためには非常通報装置の他にもドアノブですね。このドアノブの点検もしなきゃいけませんし、ドアノブが壊れた場合にどう回避するのか。こういった構造も考えなければいけない中で、複雑なものが重なってこういう結果になったということは責任というのは重いんではないかなと感じます。
青井実キャスター:
今、サウナ人気でサウナ利用されている方が非常に多いと思いますが、今後の捜査やポイントはどういったところになってくるんでしょうか。
元埼玉県警捜査一課警部補・佐々木成三氏:
今回の死因がまだ判明しませんが、死因が一酸化炭素中毒となった場合はお店の構造の問題が死因と直結しているとなった場合は、業務上過失致死の疑いが強くなるわけですよね。これはかなり時間的にも長期的になるような捜査なんですが、警察はこの立証を緻密な捜査で積み重ねていくというふうに感じています。
再発防止のためにも早く原因が分かることを臨みたいと思います。