日本時間の11日未明、京都大学の北川進さんと大阪大学の坂口志文さんがノーベル賞の授賞式に臨み、メダルを授与された。
「newsランナー」では、北川さんにゆかりのある大阪府寝屋川市と坂口さんのノーベル賞受賞をきっかけに話題となった大阪大学の「ワニ博士」を取材した。
■関西の研究者2人がノーベル賞の授賞式に
日本時間の11日午前0時から行われたノーベル賞の授賞式。
京都大学の北川進特別教授は気体を自由に出し入れできる「MOF(モフ)」と呼ばれる新素材を開発し化学賞を受賞。
大阪大学の坂口志文特別栄誉教授は、人の体内で過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」の発見で生理学・医学賞を受賞した。
授賞式後、坂口さんに「おめでとうございます!」と声をかけると、笑顔で手をあげ、北川さんに「今のお気持ちを」と聞くと、ガッツポーズで応えた。
続いて行われた晩さん会で2人はスウェーデンの王室のメンバーと同じテーブルにつき、華やかな時間を過ごした。

■北川さんが住んでいる大阪・寝屋川市の小学校では研究内容にちなんだ授業も
ノーベル化学賞を受賞した北川さんが住んでいる大阪府寝屋川市では、これまでの研究の業績を称え、市で初めてとなる名誉市民の称号を北川さんに贈っていて、市役所には受賞を祝う垂れ幕が掲示され、地元の小学校では、児童たちからも北川さんの受賞を祝う声も。
北川さんのノーベル化学賞受賞を受けて、校長は子供たちに「みなさんの中からも北川進さんのように活躍する人がたくさん出てくることを期待している」と話した。
北川さんが研究していたMOFについての特別授業も行われた。
先生:すごくない?見た目金属やのに、液体出したり、気体出したり、スポンジみたいに出すことができるねん。
児童:ヤッバ!
難しい研究の内容ですが、子供たちはMOFの構造をスポンジや金属、物質を水に置き換えて考えたりしながら、一生懸命学んでいた。
児童:(分子を)吸うだけじゃなくて大きさもめちゃめちゃ小さいのと液体も出すことができるってのが、めちゃくちゃすごいと思いました。

■坂口さんのノーベル賞受賞の会見をきっかけに大人気となった「ワニ博士」
ノーベル医学・生理学賞を受賞した坂口さんの会見をきっかけに大人気となった「ワニ博士」も取材した。
この“ワニ”は、大阪大学生協で販売されている「ワニ博士」。
坂口さんのノーベル賞授賞式が行われた11日、大阪大学は公式Xを更新。
大阪大学公式Xより:ノーベル賞コンサートで美しい音色に包まれました。ワニ博士、演奏にうっとり
会場を眺めているのは、“ワニ”のぬいぐるみだ。
この“ワニ”は坂口さんのノーベル賞受賞が決定したときもその様子をすぐそばで見守っていた。

■“ワニ”の正体は「マチカネワニ」
この「ワニ」の正体の謎を探るべく、ランナー取材班が向かったのは、大阪大学の博物館。
大阪大学総合学術博物館 船越幹央副館長:こちらが『マチカネワニ』の化石になります。
案内されたのは、ワニの化石が展示されたフロア。
(Q:かわいらしいワニのマスコットがいると思うんですけどあれは関係ある?)
大阪大学総合学術博物館 船越幹央副館長:あの“ワニ博士”のマスコットのモデルがこの『マチカネワニ』なんです。
この化石は、およそ60年前に、大阪大学豊中キャンパスで校舎を建てていたときにおよそ45万年前の地層から見つかった。
のちに「マチカネワニ」と名づけられ、ことし9月には、国の天然記念物に指定された。

■阪大の生協には「ワニ博士」コーナーも 一部商品が売り切れ
その存在をより広く知ってもらうため、大阪大学は「マチカネワニ」を博士にして公式マスコットキャラクターにした。
坂口さんの会見で「ワニ博士」の露出が増え、今、グッズが大人気になっているということで、大阪大学の生協を訪れると…
売り場には、「ワニ博士」コーナーが設けられ、アクリルスタンドやクリアファイルなど様々な商品が並んでいる。
ぬいぐるみとストラップはなんと売り切れ!生産が追いつかず、再販は来年春になるということだ。

■一気に販売数がおよそ30倍に跳ね上がった「ワニ博士」グッズ
大阪大学生活協同組合購買担当 稲田尚子さん:坂口先生のノーベル賞の会見以来、あの時机の上にワニ博士が並んでいたのをきっかけに人気に火が付いた。注目されてからは一気に(販売数が)30倍ぐらいの跳ね上がりになりまして、(一部商品が)品切れになりました。
思わぬ波及効果までもたらした関西の研究者のノーベル賞受賞。「ワニ博士」にも注目だ。
(関西テレビ「newsランナー」2025年12月11日放送)

