今週末は低気圧が通過して列島は広い範囲で雨が降る。テレビの天気予報や気象会社のウェブサイトを見ていると、東京の初雪に着目している番組やサイトがある一方で、東京の雪について全く触れていない番組やサイトがある。なぜなのだろうか?
11日段階の予報では、東京に初雪の可能性はあるものの、雪になったとしても一時的で、雨の時間が長いとみているからだろう。
冬に雨が降る時に、降り始めだけ雪が交じるのを見たことがないだろうか。
これは、湿度が低いと、気温が高くても雪のまま落ちてくるからだ。
先週、今季最強の寒波が襲来して各地で初雪が降ったが、下記は12月3日の初雪を気温順に並べたものである。
12月3日(水)に観測された初雪地点とその時の気温と湿度
広島 7.0℃ 43%
静岡 7.0℃ 41%
甲府 6.9℃ 42%
松山 6.1℃ 55%
福井 6.0℃ 54%
金沢 5.5℃ 61%
彦根 4.4℃ 70%
名古屋 3.8℃ 72%
岐阜 3.6℃ 81%
富山 3.4℃ 81%
新潟 3.3℃ 91%
鳥取 2.9℃ 89%
松江 2.7℃ 84%
岡山 1.9℃ 81%
広島、静岡、甲府などは、気温が7度ぐらいあったのに、雪が降った。
湿度をチェックすると、この3地点はいずれも40%台と空気が乾いていることがわかる。
空気が乾いていると、上空の雪が雨に変わるよりも、蒸発しようとするが、蒸発に熱が必要なため、雪が解ける前に落下して来るのである。
広島、静岡、甲府など気温が高いのに雪が降った所では、その後、湿度が上昇して、10分から20分後には雨に変わった。
11日時点では、東京も同じような状況と考えている。
降り始めは雪の可能性があるが、もし雪になったとしても積もるような可能性は低く、次第に雨に変わる。
今回は、雨の量が多い予想なので、気温が予想以上に低いと大雪のリスクも内在する。
東京の雨・雪予想は、気温が0.5℃違うだけで状況が変わってしまうので、最新の気象情報を利用してほしい。
執筆:三井良浩(フジテレビ気象センター)