12月8日の津波警報では、北海道内で約4万2000人に避難指示が出された。
住民は真冬の夜の高台への避難にどう臨んだのか、課題も見えてきた。
避難しようと高台に向かう車で渋滞
地震発生から約40分後、日高の浦河町の映像だ。
対向車線の車の列は避難所へ向かう渋滞。
高台のスポーツセンターには最大約270人が押し寄せた。
「車がいろんなところから集まり、駐車場も大渋滞。車を止めるのも大変だった」（避難した人）
車で避難する住民が相次ぎ、渋滞が発生した。
「カムチャツカの地震の時も車が大渋滞。駐車場もいっぱいに」（避難した人）
この光景は2025年7月、ロシアのカムチャツカ半島付近で発生した地震により、太平洋沿岸に津波警報が発令された時にも見られた。
津波注意報がでた苫小牧市は…
当時、苫小牧市の高台にある緑ケ丘公園付近は駐車場が車であふれた。
今回再び行ってみると、
「苫小牧の緑ケ丘公園です。こちらは市内の中でも高台に位置しているということもあり、車が20台から30台ほど避難してきています」（八木隆太郎フィールドキャスター）
「いま（車で）避難してきた。いつでもどこでも寝られるようにして食料や水も積んでいる」（避難した人）
今回は津波注意報だった苫小牧市。
公園への道は一時混雑したものの、渋滞が続く光景は見られなかった。
しかし、渋滞すると車ごと津波に巻き込まれる危険や、緊急車両が通れなくなる可能性が高まるため、苫小牧市は原則徒歩での避難を呼び掛けている。
浦河町の真冬の夜にとった行動は
一方、警報が出され避難で渋滞が発生した浦河町。
真冬の夜にどのような行動をとったのか聞くと、
「家の前が高台になっていてそこへ車で上って避難した。ヒーターをつけていたので寒くなかった」（車で避難した人）
暖房のある車で避難した人がいるなか、自宅にとどまった住民も。
「寒くなると徒歩はちょっと厳しい」（避難しなかった人）
男性は避難を考えたものの、午前0時に0.7℃という寒さの中、歩いて高台へ向かうのに限界を感じたと言う。
地震の専門家、北海道大学の高橋浩晃教授は、
「車で避難すると暖を取りやすい。一方で人口の多い都市部は多くの方が車で避難すると渋滞が起こり、避難が間に合わないことも考えられる。車の避難は、利用できるところは利用していいと思うが、都市部では徒歩での避難を原則に考えていく必要がある」（北大 地震火山研究観測センター 高橋浩晃教授）
