女性ジョッキーとして国内最多の通算1382勝をあげた名古屋競馬所属の宮下瞳騎手(48)が、11月26日、最後のレースに臨みました。結婚・出産を経て、再び現役に復帰した宮下さんは、次世代を担う女性騎手たちにエールを送りました。
■”男社会”で奮闘…女性騎手の”パイオニア”
宮下さん:
「素晴らしい騎手人生、思い出に残る騎手人生が送れたと思っています」
26日の引退会見で、長い騎手生活を振り返った”レジェンド”宮下瞳さん。

1977年、鹿児島県で生まれた宮下さんは、祖父が馬を飼っていて、馬といる生活が日常でした。騎手になった兄の背中を見て競馬の道を志し、1995年に18歳でデビューしました。
宮下さん:
「私が入った当時は、レースで鼻差で負けたりしたら『やっぱり女性はダメなんだ。乗り役を代えてくれ』と言われて、乗り換えをさせられることがすごく多かった」
レースの現場は”男社会”、それでも諦めずに勝ち星を積み重ね、2005年には女性騎手の通算最多勝記録を更新しました。

第一線で活躍していた宮下さんに2011年、転機が訪れました。
宮下さん(2011年):
「これからは勝負の世界から離れて、1人の女性として頑張っていこうと思います」
同じ名古屋競馬所属の小山信行騎手と入籍し、引退。2人の息子を出産し、母として育児に力を注ぎました。

しかし引退から5年後、当時3歳だった長男・優心くんの一言で復帰を決意しました。
宮下さん(2016年):
「長男が、飾ってある私の騎乗姿の写真を見て、『ママの乗っている姿を見たい』と言われて」
2016年、騎手免許試験に合格し、「かっこいいママの姿を見せたい」と再び勝負の舞台に。2021年には、女性騎手として史上初の1000勝を達成しました。

しかし…。
宮下さん:
「4月に前十字靭帯を痛めてしまって、それから自分が100%で乗れない部分があったので」
ケガもあり、引退を決意しました。
■出産後に復活…バトンを次の世代へ
26日、家族やファンが見守る中、ラストレースに臨みました。途中、手綱が切れてしまうアクシデントもあり、結果は7着でしたが、無事走り抜きました。

宮下さん:
「悔いのないというか、あのまま騎手をやめていても別によかったと思いますけど、復帰してさらに騎手をやっていてよかったなと、改めて思いました」
現役復帰を決意させた長男・優心くんも、その背中を見つめていました。

長男・優心くん(13):
「かっこよかった。(将来の夢は)騎手、中央の騎手を目指しています。お母さんみたいなジョッキーに」
駆け抜けた騎手人生。引退会見の終盤に宮下さんは、次世代の女性騎手への思いを語りました。
宮下さん:
「女性騎手は、今までは結婚して出産したら騎手人生が終わってしまうのが当たり前のような感じだったんですけど、私が出産して女性騎手として復活している姿を見て、『私にもできる』『私も頑張ろう』と思ってもらえるように頑張ってもらえるといいなと思います」

宮下さんは、12月から調教師として新たな競馬人生を歩みます。
