11月28日のみんなと防災は、災害時の地域での「共助」について考えます。
宮崎市赤江地区にある緑松北自治会では、大規模災害に備えようと11月に自治会独自で避難訓練を初めて実施しました。
海岸から約600mに位置する緑松北自治会は半分の世帯が高齢者世帯で、今回の訓練は実際に災害が起きたときお互いに助け合い、どう命を守るかを考えるきっかけとなりました。
(江川琴実記者)
「緑松北自治会では、自治会独自の避難訓練が今から行われます」
訓練は、最大震度7の地震が発生した想定で行われました。
しかし開始直前にハプニングが…。
(サイレン途中で切れる)
「放送が入らんね」
訓練の開始時間にあわせ屋外無線で放送が流れる予定でしたが…流れません。
(緑松北自治会・園田雅俊会長)
「機械の故障で鳴らなかったけど、10時になったら皆さんが自発的に動き出さなければならないと来てくれた」
緑松北自治会の避難訓練。
きっかけは去年8月に発生した日向灘を震源とする震度5強の地震でした。
(緑松北自治会 園田雅俊会長)
「実際そういうこと(地震)に対して動きが鈍い人が多いということに気づきいたから、今回はみんなに一度に号令をかけてやること(訓練)をやってみようと・・」
緑松北自治会は134世帯のうち70世帯が高齢者世帯。
訓練では中学生が高齢者の避難をサポートします。
(リヤカーに乗った住民)
「乗り心地はよくない。だけど逃げるときだからね。そんなこと言ってられない」
公民館には拠点が設けられ、避難住民がそれぞれ役割を担います。
情報収集班は地区の状況を把握するため、無線機からの情報を地図上に落とし込みます。
(無線でのやり取り)
「消火活動を開始しました」
「すいません。場所はどこですか」
「14班の東側になります。どうぞ」
「了解しました」
また建物に下敷きになった人を救出する訓練では…
救助活動は中学生3人が担当しおよそ5分で救出することができました。
訓練を終えた住民からは課題の声もありました。
(情報収集班の住民)
「最初のサイレン以降の一斉(連絡)もできてなかったので、そういうところも確認していく必要があるなと思います」
(救助班の中学生)
「リヤカーでお年寄りたちを助けるときに(重くて)子供だけじゃきついなと思いました」
一方で訓練の効果を感じた人も…
(80代女性)
「日頃会えない人にも久しぶりに会ったり、近所のつながりができていいんじゃないんですかね」
訓練を企画した園田さんは、住民の共助意識を高めていくためにも今回のような自治会独自の活動を続けていきたいと話します。
(緑松北自治会 園田雅俊会長)
「老いも若きもこういうことに関しては、一つでも二つでも関心をもっていただきたい。これから先どういう形で皆さんを安心安全に暮らせるようにさせるか、これから日頃の活動の中で皆さんに訴えていかなかればいけないかなと私はそう思っています」
また緑松北自治会には、地上から約24mの高さがあるマンションに備蓄倉庫が設置されています。
これは園田会長自らマンションの所有者に交渉し、市や県の助成金を使い今年8月に設置されたということです。
緑松北自治会では、津波想定の訓練も12月21日に実施するということです。