10月末、高市首相は中国の習近平国家主席と交わした握手。
その後、わずか1カ月で日中関係は激変しました。
中国側は台湾有事を巡る高市首相の発言の撤回を繰り返し要求し、さらに日本に対し「軍国主義の台頭」や「治安の悪化」などと一方的に主張しています。
中国側は「(高市首相の発言は)戦後国際秩序に対する公然たる挑発だ」「日本では治安が不安定であり、台湾同胞を含む観光客が襲撃される事件が相次いで発生している」などと主張。
これに対し、日本側は「中国政府は事実に反する主張や、根拠不明の発信を繰り返しています」と反論しました。
28日朝、閣議前の記念撮影に応じた高市首相は、カメラのフラッシュ音が響く中、他の閣僚と言葉を交わさず表情を変えることもほぼありませんでした。
日中首脳会談から4日後の11月4日の映像では、高市首相が周りの大臣と笑顔で言葉を交わしている様子が確認できます。
さらに、25日の映像と比較しても表情に変化がある様子が確認できます。
この間にあったのが、トランプ大統領との間で25日に行われた電話首脳会談です。
アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ大統領が高市首相に“台湾を巡る発言を抑制するよう助言した”と報道しましたが、木原官房長官はこの報道の一部を否定。
28日の衆院外務委員会でも尾崎官房副長官は「トランプ大統領から、台湾の主権に関する問題で中国政府を挑発しないように助言、との記述がありますがそのような事実はない」と否定しました。
一方、中国の共産党の機関紙・人民日報は、米中両国が共同で日本の軍国主義の復活を阻止するよう表しました。
中国側による日本政府批判は小泉防衛相にも及びました。
先日の会見で、小泉防衛相は与那国島への自衛隊ミサイル部隊の配備計画についての説明の中で「島の安全を守る。日本を守るための部隊であります。他国を攻撃するものではない」と発言。
この発言に対し、中国軍は「日本がレッドラインを越え、災いを招けば重い代償を支払うことになる」とはSNSに投稿し、猛反発しました。
改善の糸口が見えない日中関係。
そんな中、29日に予定されていた浜崎あゆみさんの上海公演が中止になったことを28日午後、浜崎さん自らが「私達は、これまでの公演と同じように日本と中国のクルー総勢200名で協力し合い、五日間かけて上海のステージを本日組み終えましたが、午前に急遽公演中止の要請を受けました」「自分に出来ることは微塵もないのかと考え続けていますが、現状はこのご報告しかない事をお許しください」とインスタグラムで明らかにしました。
公演中止の理由を中国側の主催者は「不可抗力」としています。