例年より早く、爆発的に感染が拡大しているインフルエンザ。医療機関でも懸念の声があがっている。

■医師「すごく多い」
福島県会津若松市にある「いとう子どもクリニック」では、先週1週間でインフルエンザの患者数が2倍に増え、多い日で一日約100人にのぼったという。
伊藤俊晴院長は「すごく多い。例年は12月に始まって1月・2月にピークが来る。それが1カ月くらい前倒しになっている」と話す。
インフルエンザと診断された子どものほとんどがA型で、特に10歳未満が多いという。伊藤院長は「突然の発熱と元気のなさ。ものを食べない遊ばない動かない」と症状について語る。
また「この先、本格的なピーク来ることは確か」として、今後さらに感染が拡大すれば、医療体制がひっ迫する恐れもあるため、予防に力を入れる必要性を訴えた。

■福島県では過去10年で最多の感染者数
福島県の週ごとの新規感染者数は、1カ月前は304人だったが、先週は4162人に増えた。1つの医療機関あたりでは86.71人で、過去10年で最多となっている。爆発的な流行の背景には、変異株の存在が指摘されている。
感染症を専門とする福島県立医科大学の山藤栄一郎主任教授は「サブクレードKは、ざっくりと分ければ新しい変異株みたいなものなのですが、過去に感染したことがあって免疫があったり、ワクチンを打って免疫があったとしても、それをすり抜けて感染しやすいということになります」と説明する。

■変異株「サブクレードK」
流行が確認されているA型インフルエンザの変異型「サブクレードK」。
これまでのタイプと比べ、重症化のリスクなどは大きく変わらないものの、免疫をすり抜けるため、感染拡大が起きやすい状況が生まれている。
インフルエンザにかかったことがなく、集団生活をしている子どもを中心に流行が広がっているが、今後高齢者など重症化しやすい人への広がりも懸念される。
山藤主任教授は「ワクチンが効きにくいといったのは、あくまでも感染しやすくなっただけで、入院したり重症化したり(を防ぐ)効果はもちろん残っていますので、マスクと換気、それから手洗いもしていただけると。病気にならずに元気に過ごしていただきたいなと思っています」と話した。

福島県によると、11月17日から23日の間に県内では8校で休校、65校で学年閉鎖の対応が取られていて、警戒を呼びかけている。

福島テレビ
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