100年の歴史の中で初めて、日本での開催が実現したデフリンピック。岡山・香川からは5人の選手が出場しました。熱気に包まれた12日間の名場面を振り返ります。

◆開会式 日本選手団のスローガンは「燃えろALL JAPAN」

1924年の第1回パリ大会から101年の2025年。日本で初めて開催されたデフリンピック。世界79の国と地域から約3000人の選手が出場し、東京を中心に21の競技が行われました。

◆「聞こえないが、たたく音が聞こえる。うれしかった」陸上男子走り高跳び7位入賞 平林金属・佐藤秀祐選手

陸上・男子走り高跳びには岡山市出身で平林金属所属の佐藤秀祐選手(21)が出場しました。

(会社の同僚)
「頑張れ佐藤、オー」

(佐藤選手の姉・佐藤千優さん)
「頑張ってほしいです。弟の緊張感がうつっている。とにかく頑張ってほしい。あと、楽しんでほしい」

(平林金属 佐藤秀祐選手)
「聞こえないが、たたく音が聞こえる。うれしかった」

〇1メートル86までは1回目で成功
〇1メートル89は3回とも失敗、結果は5位入賞
〇監督がフリップで「今できることはやった」…家族の前でこみあげる涙

(佐藤秀祐選手)
「楽しめたが、良い跳躍ができなくて悔しい。4年後のデフリンピックに出場したい。もしメダルを取れたら取りたい」

◆「良い経験になった。楽しかった」陸上男子400メートルハードル8位入賞 岡山大学・石本龍一朗選手

男子400メートルハードルには岡山大学教育学部3年の石本龍一朗選手(20)が出場。

(佐藤秀祐選手)
「石本君、頑張って」

〇岡山大学陸上競技部はスタンドから「岡大コール」
予選は55秒01でフィニッシュし、全体で7番目のタイムで見事、決勝進出を果たしました。

【決勝】
(岡山大学陸上競技部 山川舜平さん)
「頑張ってきた姿をずっと見ているので、心から応援したい気持ちが湧いてくる。僕らの声で追い風にしたい」

〇結果は8位入賞
(岡山大学 石本龍一朗選手)
「悔しい。本当に良い経験になった。やっぱり楽しかった」

〇胴上げされる石本選手

◆サッカー女子では倉敷市出身の小森彩耶・石岡洸菜両選手が銀メダル獲得に貢献

サッカー女子には倉敷市出身の小森彩耶選手(18)と石岡洸菜選手(24)が出場。イギリスを相手に小森選手の初ゴールが生まれました。

決勝は、予選で敗れた絶対王者・アメリカとの対戦。リベンジとはなりませんでしたが、初めての銀メダルを獲得しました。

◆郷土勢で唯一の「金メダル」を獲得 デフバドミントン・片山結愛選手(綾川町出身)

郷土勢で唯一、金メダルを獲得したのは香川県綾川町出身の片山結愛選手(21)。混合ダブルスではまさかの予選リーグ敗退となりましたが、気持ちを切り替えて臨んだ団体戦では日本の勝ち上がりに貢献、見事、リベンジを果たしました。

聞こえない、聞こえにくいアスリートたちの活躍は聴覚障害や手話に対する理解をうながし、共生社会の実現に向けた大きな一歩となりました。

岡山放送
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