きょう11月25日から12月1日までの1週間は『犯罪被害者週間』です。これを前に先日、14年前に熊本市で当時3歳の娘を殺害された母親が講演し、被害者家族への支援の大切さなどを訴えました。
【心(ここ)ちゃんの母・清水 真夕 さん】
「いつもは私の心の中に事件のことは箱に詰めて鍵を閉めて日常生活に支障がないように生きているが、今回、それをちょっと開いて私たちの家族に子供たちにどんな支援をしてもらったか話ができればと思って…」
11月6日、八代警察署で行われた講演会の冒頭、こう切り出したのは2011年、熊本市のスーパーで起きた殺人事件で当時3歳の娘、心ちゃんを亡くした清水 真夕 さんです。
この講演会は、犯罪被害者とその家族が置かれた状況や支援の必要性などについて理解を深めてもらおうと開かれたもので、八代署の署員や被害者支援連絡協議会のメンバーなど約70人が参加しました。
真夕さんは当時を振り返り、「突然、娘を失い混乱の中にあった私たち家族に警察や子供が通っていた保育園や学校の関係者が温かい支援の手を差し伸べてくれた」と感謝の思いを口にしました。
その一方、心ちゃんの兄たちはネットに書き込まれた誹謗中傷をきっかけにさらに心に大きな傷を負ったと指摘。「家族が事件で負った心の傷は消えることはない」と訴え、「犯罪被害者とその家族への支援に終わりはないのではないか」と述べました。
【清水 真夕 さん】
「犯罪被害に遭うということは誰にでも起こり得ること。誰か一人の声掛けだったり、一つの理解であったり、一つの寄り添いであったり、そういう誰でもできる小さな行動が、誰かの明日を救えるものだと思う」
【参加者】
「警察はもちろん、それ以外の人たちにもたくさんできることがあるんだと思った」
今年から犯罪被害者とその家族が少しでも生きやすい社会を願い、講演活動を始めた真夕さん。「誰かのあすを救うために」、自身の体験や命の大切さをこれからも伝え続けます。
【清水 真夕 さん】
「今後は『支援される側』から『支援する側』にまわって、娘と一緒に、被害者支援の大切さについてこれからも活動していきたい」