過労死を防ぐことを呼びかけるシンポジウムが富山市で開かれました。
過労死で夫を亡くした女性が声を詰まらせながら体験談を語り、メンタルケアの重要性を訴えました。
このシンポジウムは今月の過労死防止啓発月間にあわせて富山労働局が開いたもので、県内の企業の労務担当者や労働組合員が参加しました。
富山労働局によりますと、身体の疾患による過労死は県内で年間に数件と近年は横這いである一方、「医療や自動車運転手」などの業種で、精神障害による労災の申請が増えていて、企業におけるハラスメント対策を重点に取り組むよう求めました。
また、過労死で夫をなくした東京都の中江奈津子さんが体験談を語りました。
中江さんは夫が海外のダム建設の責任者として、人手が少ないなか長時間勤務をせざるを得なかったとし、企業がメンタルケアをしっかりすることが大切だと声を詰まらせながら訴えました。
*過労死で夫を亡くした 中江奈津子さん
「(企業は)長時間の残業を放置せず適切な対応を取るべきでした。夫を見て夫の訴えを聞いていたなら気づいたこと、できたことがあったと思う。社員が心身共に健康で安心して働ける企業こそ持続可能であり社会的な価値をもつのではないでしょうか」
こうした過労死への対策として労働者の安全衛生を研究している専門家は、「疲れたら休むという意識を持ち、遠慮なく休めるという職場の環境づくりが大切だ」と呼びかけていました。