例年12月ごろから流行するインフルエンザですが、今年は福岡県内で早くも「注意報」が発表されています。
こうした中、気づかぬうちに感染を広めてしまう「隠れインフル」に注意が必要です。
25日朝、福岡市西区のクリニックを訪れると…
◆看護師
「熱は最高で何度出ましたた?」
◆患者
「39.1℃」
◆看護師
「力抜きます。クルクルしますね」
発熱や喉の痛みを訴える患者が詰めかけ、インフルエンザの検査を受けていました。
◆井上さとし内科 井上聡院長
「10月から少しずつ(患者が)増えていて、11月は毎日多くのインフルエンザ患者が来ている。例年は12月から1月が多いが、1カ月ほど前倒しで波が来ている」
早くもインフルエンザが猛威をふるう福岡県内。
11月13日には、昨シーズンより3週間早く「注意報」が発表されました。
福岡県が発表した最新の情報では、1医療機関あたりの感染者数が「20.89人」と、前の週の約1.6倍に増加。
異例のスピードで感染が広がるその要因の一つが…
◆井上さとし内科 井上聡院長
「隠れインフルエンザ。典型的なインフルエンザは高熱・喉の痛み・関節痛が起こるが、熱があまり出なくて、倦怠感や頭痛、ちょっとした喉の痛みで放置してしまい、後から検査するとインフルエンザだった」
通常のインフルエンザと比べ症状が軽い「隠れインフル」。
患者自身が「ただの風邪だ」と思い込んで病院を受診せず、気づかぬうちに感染が広がるケースがあると言います。
◆井上さとし内科 井上聡院長
「軽症だったのに家族に感染し、強い症状が出ることもある。重症化すると肺炎や脳炎を起こすなど命にかかわる危険もある」
「隠れインフル」によるさらなる感染拡大が懸念される中、福岡県は、体調に違和感があれば早めに医療機関で受診するよう呼びかけています。
これだけ早い時期のインフルエンザの大流行、いったい何が起きているのか。
その理由の一つとされているのが、インフルエンザの新しい変異株「サブクレードK」の存在です。
東京小児科医会によると、現在の流行の中心はH3N2という型ですが、サブクレードKはこれの変異ウイルスで流行の原因となっている可能性があります。
そして、既存のワクチンが十分に作用しない恐れもあるそうです。