瀬戸内海で養殖カキが大量死している問題は“災害級”とも言われていて、愛媛県で一番の産地・今治市の大三島の養殖場でも壊滅的な被害が出ています。出荷シーズンを迎えているなか、地元の業者は25日に「被害は何千万円にも上る」と、ショック過ぎる事態に頭を抱えています。
今治市の大三島は、愛媛の養殖カキの生産約8割りを占める産地。この瀬戸内海に浮かぶ島の沖にも養殖カキの壊滅的な被害の波が押し寄せ、地元の養殖業者「ハマミツ海産」の中川奈津美代表は養殖イカダでショックを隠せません。
ハマミツ海産・中川奈津美代表:
「口が開いとるじゃないですか。中がないんですよ、こういうの全部。このカキを見て、ちょっとショック過ぎて。被害額で言ったらもう何千万円ですね」
「ハマミツ海産」は約40年前から広島と大三島で年間約1200トンのカキを養殖。このうち400トンが大三島産です。大三島のおだやかな海は時間はかかるものの、形がキレイで高品質なカキが育つといいます。
異変に気づいたのは9月中旬。引き揚げた多くのカキの口が開いていたといいます。養殖イカダは水深12メートルほどの浅瀬にあり、中川代表は猛暑により海水の温度上昇の影響を受けたのではないかと見ています。出荷シーズンを迎えた中での大量死には悔しさがにじんでいました。
中川代表:
「カキを食べて旬のもの食べて『おいしかったよ』って言われるのが。喜びなんですよね。それをこういう状態で出せなくなるっていうのが本当にショックで、もうなんて言っていいのか分からないような感じですね」
また次のシーズンに向けて準備していたカキも、ほぼ死滅しているといいます。
愛媛県は養殖カキの2大産地の大三島と愛南町御荘で、それぞれおおむね9割が死んだと発表。個人の力では「どうにもできない状況」に、中川代表は養殖を続けていくために、行政のサポートを求めています。
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